内容説明
加蓉子は二十歳も年下の男と恋に堕ちた。夫彬信と二人の穏やかな生活を捨てても、若者と一緒になりたかった。彬信には家屋敷を譲ればいい。私には新生活が待っている―。加蓉子が親から相続した土地と家屋を財産分与として、彬信に無償譲渡することを条件に、協議離婚が成立した。だが落し穴が。無一文になった加蓉子に巨額の譲渡所得税がかかってきたのだ…。異常な地価の高騰と税制の矛盾を衝く、書下し法廷サスペンス「屋根裏の闖入者」、電話の付加機能が生んだ恐るべき犯罪を扱った表題作「殺人者の涙」他一編を収録。オリジナル中・短編集。