内容説明
グレゴール・ザムザは困っていました。ついにこの間朝起きてみたら一匹の虫に変身していて往生したばかりなのに、今度は一台の顕微鏡に変身していたのです(「顕微鏡になった男」より)。魔法使いが売った呪文に始まり、神様の悩みや同情するロボットまで、出会いから出会いへ、九つのおとぎ話が一つにつながった奇跡的傑作「九つの物語」や書き下ろし作品「僕の国」を含むオリジナル短篇集。
著者等紹介
原田宗典[ハラダムネノリ]
1959年、東京生まれ。早稲田大学文学部演劇科卒。84年「おまえと暮らせない」で第八回すばる文学賞入選後作家としてデビュー。小説以外にも数多くのエッセイを発表し好評を博している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ATS
9
★★☆私が好きな原田宗典さんの短編集。なんともとりとめのない話が多かったが、『僕の国』は幻想的で好きでした。『中途半端な街』もホントに中途半端で笑ってしまった。『男と女の最も短い関係』は3行しかないというウイットのきいた作品だった。あっという間に読めるので、時間がない人にもオススメだ。2016/08/27
Σ_Coooola
6
「九つの物語」「僕の国」も当然良かったのだが、やはり「中途半端な街」が抜群に良かった。ともすれば不気味すぎる「何もかもが中途半端な街」という世界があれだけコミカルに、思わず吹き出してしまいそうなくらいに描かれているところなどはもう流石としか言いようが無いと感じる。だがもっとも (このコメントも中途半端にて 了)2010/12/22
たいよう
4
やっぱり原田さんはおもしろい。変わった視点で物事をみることができて、それをうまく表現できるひとだなあと思う。本のタイトルは、この本の他の作品「僕の国」か「中途半端な街」のほうが全体のイメージとあってる気がする。2014/11/20
Sea
3
読んだ後に何の印象も残らなかったが、そう言うと「何の印象も残らなかったが本」という印象が残ってしまう。困った、まあ、どうでもいいや2011/06/03
うに丼
2
なんでもない日常のすぐそばに不可解な世界の入口がある われわれの想像力は超越的である… 笑いながら読んでて、かなり愉快だった2024/05/23