内容説明
1755年、首都ウィーンの王宮で、女帝マリア・テレジアは15番目の子を出産した。その女児こそ、後のフランス国王ルイ16世の妃となり、37歳で断頭台の露と消えたマリー・アントワネットである。14歳で嫁いだ彼女を待っていたフランス宮廷社会とは。夢見る乙女心を引きずり、義妹の男児出産に悩み、フェルセンへの恋慕を募らせ、青春を駆け抜けたマリー・アントワネットを描ききった、著者渾身の大河歴史絵巻。
著者等紹介
藤本ひとみ[フジモトヒトミ]
長野県飯田市生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に裏打ちされた歴史小説で脚光を浴びる。フランス革命からナポレオンの時代を主な題材にすえ、秘められた歴史に光を当てた作品が高い評価を受けている。パリに本部を置くナポレオン史研究学会の日本人初会員。フランス政府観光局親善大使を務め、現在同名誉委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
65
来月ベルサイユ宮殿へ行く予定なので、ベルサイユと言えばマリー・アントワネットかなぁと思い予習の為に読みました。しかし、これは前編だったのですね?完結していないことを知らずに読んだ為唖然としました。後編読みたい気もしますが、あまりにも有名なアントワネットの最期を知っているだけに、辛いのでこれで止めてしまうかもしれません。悪気はなかったとは言え、これでは国民が怒ってしまうのも仕方がないかもと思えるようなダメダメな描かれようでした。ベルサイユの地でのガイドさんの説明が今から楽しみです。2014/03/15
くろすけ
16
伝記物は筆者の視点によって人物の印象ががらっと変わったりするものですが、自分の読み方によっても随分変わってしまうものですね。若い時分に読んだときは、ある意味「自業自得」で片付けてしまったマリー・アントワネットですが、今読むと哀れで哀れで泣けてしまいます。無邪気さと勝気さと恋への憧れが、人よりちょっぴり大きいだけの14歳の女の子。その可愛らしい個性を大きな「罪」に育て上げてしまったのは、社交界に潜む悪意と政治的思惑の渦。筆者の藤本ひとみさんは「教育」の大切さを強調しているように感じました。2015/09/23
誰かのプリン
14
ベルサイユ宮殿での愛憎、豪奢な生活で国庫が赤字に。やがて国民はアントワネットに憎しみを抱いていく。次巻が楽しみです。2017/10/06
クッシー
2
下巻を読んだ後に上巻の感想を書く訳だが、やっぱりマリーの青春時代がとても輝いていたと思う。デュバリー夫人や、ルイ15世の三人娘。とても個性的でなかなか頭から離れない(嫌な奴なんだが)。そんな彼女らとのある種くだらない、けれども必死なマリーのやりとりがとても愛おしい時間だったなと、革命の悲惨さを見るとしみじみ感じる。「愛しき日々」という歌の歌詞をおもいだす。「もう少し時が優しさを投げたなら/いとしき日々の/はかなさは/消え残る夢/青春の影」。人生後になってからしか噛み締めることのできないものがあるのだろう。2021/12/12
まろ
2
おもしろおかしく劇的に書かれることの多い彼女だけど、この本では一人の女の子として描かれていたので、自分が同じ立場だったらどうふるまうか、どう感じるかを一緒に考えることができるた。2013/11/21