内容説明
後醍醐天皇の鎌倉幕府討伐軍に、全国から数々の武将が加わってきた。鎌倉幕府の中心にいた新田義貞、足利高氏も叛旗を翻し、後醍醐軍に加勢する。一気に敗勢に回った鎌倉幕府軍は、とうとう鎌倉に追い込まれた。三方を山に囲まれた地形を活かした幕府軍を攻めきれない新田義貞は、敵の意表をつく作戦を展開するが…。未曽有の動乱の時代を描いた、歴史大河小説。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青山学院大卒。十年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている。2004年には作家生活四十周年をむかえ、日本ミステリー文学大賞を受賞した
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感想・レビュー
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ちゃま坊
13
後醍醐天皇にとって鎌倉幕府滅亡の功労者は誰か。①楠木正成②護良親王③新田義貞④足利高氏⑤赤松円心⑥名和長年 この中で一番要領の良いのは足利高氏。政治力で他を圧倒する。大金星の手柄を横取りされた新田義貞に同情。天皇の側室をもらって喜ぶ義貞は単純。後醍醐天皇の側室阿野廉子と北条高時の側室菊夜叉。この二人は権力者を裏で操り戦略をめぐらす女狐たち。足利の罠にはまった護良親王無念。2020/05/19
アンゴ
3
1333(元弘3)年-1334(建武元)年 北条高時自害、鎌倉幕府滅亡。建武中興成るが護良親王の足利高氏との確執から鎌倉配流、暗殺。 現行政権に不満で反対し倒す力があっても、収拾できる統治能力があるわけではない姿は、現在のエジプト始め古今東西変わらないと再認識。2014/03/25
うたまる
2
「皆の者も立って舞え。踊れ。賑々しゅう三途の川をまかり渡ろうぞ」(北条高時)……鎌倉陥落から建武の新政、中先代の乱まで。意外というか、敵役である北条一族の出処進退に心揺さぶられた。朝廷側の卑怯未練な振る舞いに度々辟易させられた反動か。それとも大日本帝国やジオン軍のように、散華し滅び行く姿に肩入れしてしまう日本人の気質のためか。また本書から全6巻の後半に。いよいよ後醍醐天皇と足利尊氏のチキンレースが始まり、主要人物が減っていく。ここにきて「太平記は史学に益なし」説をブッ込んでくるのも良い。ああ、面白い。2014/05/24
ちゃま坊
1
第四巻は新田義貞の鎌倉攻撃場面から始まる。ここは後醍醐天皇vs鎌倉幕府の戦争のクライマックス。戦後の権力闘争では足利尊氏が台頭してくる。貢献度で言えば楠木正成、大塔宮護良親王、新田義貞、赤松円心、名和長年らに手厚い恩賞をと思うのだけれど、世の中はどうも不公平にできている。権力欲の足利尊氏と悲運の大塔宮護良親王。両者は特に対称的だ。★★★2015/06/16
茅渟釣迷人
1
古本購入-売却2011/02/05