内容説明
霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。そして、助かった二人もなぜか現場から逃げ去ってしまった。数日後、男は女から別れを告げられた。「卑怯者!」という言葉を残して。男は自身の「罪」を償うために刑事に転職するが―。全てを懸けて意地を貫き徹した男を描く、白眉の“証明”シリーズ。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青山学院大卒。十年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている。2004年には作家生活四十周年をむかえ、日本ミステリ文学大賞を受賞する
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感想・レビュー
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遥かなる想い
226
森村誠一の「証明」シリーズは流行ったのは いつの頃だったのだろう。 野性の証明・人間の証明..映画のワンシーンが 今でも蘇る。 深夜の公園で襲われたアベックと 「卑怯者」という別れの言葉..身代わりに なって殺された警察官..読んでいてひどく 懐かしく、読みやすい展開が心地よい。 戦争の影が各々の人生に影響を及ぼしながら、 クロスしていく..最後は複数の裏切りが 明らかになる、森村誠一らしい終焉だった。2016/04/24
ふう
15
笠岡の生き方がかっこいいですね。複数の男女の各ストーリーが後半からつながってくるので、すっきりしました!非常に読みやすく、一気に読了です。2014/09/25
そうたそ
10
★★★★☆ 証明三部作をようやくこれで全て読めたことになる。公園で暴漢に襲われたカップルを助けようとした警官が、逆に刺殺されてしまう事件で幕を開けるストーリー。刺殺された警官を助けられなかった男が、「卑怯者」という言葉と共に女に別れを告げられ、やがてその償いのために自らも警察官となる。以降、怒涛の展開が待ち受ける。戦後の陰鬱さの残るストーリーで、戦争については著者の並々ならぬ思いも感じられる。結末は賛否あろうが、読後に心にズンと重くのしかかることは間違いないと思う。2023/08/18
JP
4
最後の時子の告白には驚きました2010/09/19
にゃんとろ
3
去年10月から半年ぶりの読書の最初の1冊。 失業~再就職とか色々ありまして久しぶりです。 ブックオフで100円で購入しましたが100円でこれだけ面白い本が手に入るんだからイイ時代ですなあ。 複数の家族が物語の進行とともに1点に交わって行くドキドキする構成、森村先生お得意の戦争や山岳も織り込まれていてお得な1冊です。 最後にはオチもあって、映画化された人間の証明、野性の証明よりこっちのほうが面白かったです。 昔TV放送されてた森村誠一シリーズで「青春の証明」も作られてたんですね。観たいなヽ(´▽`)/ 2016/04/10