内容説明
栄華をきわめる平安の都。受領を父に持つ紀姫・香姫は、七つ違いの仲のよい姉妹だった。父が単身赴任で遠い任国にいる間、京のはずれに建つ邸でひっそりと暮していたが、姉・紀姫に恋人ができたことから父の怒りをかい、姉は京の都、妹は任地の安房で別れて暮らすようなってしまう。父の勘当もとけ、五年ぶりの対面を前に、なぜか紀姫は琵琶湖に身を投げてしまった。そしてその二年後、十八歳になった香姫は、姉を死に至らしめた謎の恋人を探し出す決意を胸に秘め、安房を離れる。だが、今、京へと向かう香姫の身にも危険が迫る―。宮廷を舞台に華麗に展開される、長編書下ろし王朝ロマンミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びっぐすとん
11
これ読んでるときから嫌な予感がしたんだよなあ。全体的に暗いし、話の方向性が見えなかった。その後ずっと続きを待っていたが、氷室さんは亡くなられてしまった。
アイリーン子
9
下巻が出版されていないことを了解済みで読んだのでいろいろ心算はできていたつもりだったけど、やっぱり物語の行方も残された謎も気になるーーー!紀姫の恋の相手は誰とかなぜ死んでしまったのかとか三井の宮の真意はとか朝高との関係はとかほんとどういうことなの…。そしてなんで下巻出なかったの…。そんな風に読み終わったあと気になりすぎてモダモダしてしまうぐらいに面白かった。奥付け見たら平成元年出版でもう三十年も昔の本なのに、舞台が平安時代だからか全然気にならずすいすい読めた。あーもうなんで下巻出てないの氷室さん…!2019/06/28
本夜見
6
氷室先生と山内先生の最後のコンビ作品『月の輝く夜に』を読んで ふと再読したくなりました。姉の死に疑問を持った香姫が真実に迫る…未完のままなんて残念すぎます。2012/08/25
眠りスナメリ
2
高校生の頃に読了。氷室冴子は以前「まず作品を完成させること。未完の大作というのは考え物」と小説指南していたので、完結すると信じていたのだけど残念。なにか出版社との事情でもあったのだろうか。
じょう
2
作者がお亡くなりになり、続きが読めないのが残念です