内容説明
中学一年の柳翔太は、クラスメイトの福永がいじめにあっているのを見るに見かねてある時、仲裁に入った。だが、今度は、いじめの矛先が翔太に向かい、助けてあげたはずの福永までがいじめる側に回ってしまった。それ以来、翔太にとっては地獄の日々が始まった。傷ついた少年の魂はどこへ向かうのか。重い十字架を背負いつつも、ひたむきに生きることの意義を問うて感動を呼ぶ、著者最後の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペミカン
3
たまたま図書館で、先日読んだ伊坂さんの本のタイトルと似てる(同じ)だなぁと思って借りてきた。もう20年以上前に急死した景山さん・・。物語自体はちょっと古さと単純さすら感じたのだけど、あとがきを読んで心がしん・・とした。純粋な人だったんだなぁ。そして、自分の身におこったことも、受け入れられる気がして救われた次第。景山さんありがとうございました。2020/11/16
ウメ
2
当人がいじめと感じていないのならそれはいじめではない、といじめに遭う男の子が言う。その言葉の裏に虚勢や強がりが隠されているとしたら何とも痛ましい。心の底からいじめをいじめと感じない強さがあればなあ。2016/11/04
Yoko
1
小説として巧いかと言えばおそらくそこまでもないし、心を強く動かされたかと言われるとまあまあであるが、しみじみと少年の成長が実感できる。ただ、『君たちはどう生きるか』の叔父さん的存在がいなくても、何かのタイミングで成長できそうな主人公ではあったが…。とはいえスポ根漫画的な展開は面白く読める。後書きの娘の言葉はいかにも出来過ぎた話に聞こえるかもしれないが、この人の晩年を見てると、あながち本人にはしっかり耳に入っていたのかなと、割と真面目に思っていたりする。2019/02/21
Kento Isikumada
1
中学校でのいじめの話。胃がキリキリするような感覚になる。なぜいじめが起こるのか?を考えると、世界が狭いんやろな。世の中の素晴らしく楽しいこと、すげー人に近づきたいって思ってたら人の足引っ張ってる暇なんてないもん。知らないから。目標がないから。退屈だから。2週間に1回ぐらい学校に講師を招いて講演会を開けばいいんじゃ。地元の会社の社長とか、バックパーカーとか、大家族のお母ちゃんとかも面白いかも。刺激を受けて目標持てたら、補習なんかするよりよっぽど成績も上がると思うのだがいかがだろうか。2014/05/24
カンパネルラ
1
おそらく影山の遺作と言っていいかもしれない。いじめをテーマにした小説。前半の普通のいじめられるような少年ではないような主人公がいじめられていく、どうしようもなさと、後半のそれに対抗して行く精神的な強さを身につけていく流れが、非常にうまく書かれている。終わり方もいい2007/07/03
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