内容説明
牡丹の花が今を盛りと咲き誇る平家六波羅邸―。平家の嫡男平清盛は、牡丹園のほとりで1人の娘に会い、見初めた。兵部権大輔平時信の娘時子である。清盛に後妻として嫁した時子は、先妻の子重盛をはじめ、異腹の子供たちも皆邸に引き取り、自分の子同様大切に育てた。男の子たちは平家軍団の根拠地で武士に、女の子たちは西八条の私邸で雅な姫たちに―。慈母観音のような時子ではあったが…。時子と6人の姫たちをめぐって物語は展開する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかり
1
女性側から見た平家物語。どんな感じなのかな?と思ったけど面白い。2014/06/09
fuchsia
1
大江広元とはまた、目の付け所が・・・・。脇役の名前が江戸風味だったりとしてますが、娯楽として読ませます。さすが。2012/05/20
みふゆ
0
人形劇平家物語を観てから吉屋信子が女性視点の平家物語を書いていると知って読んだ。 人形劇の原作でもある吉川英治の新平家物語にも目を通していたが、あちらは良妻賢母や男性依存性の強いまさに【男の添え物的」な女しか出てこなかったのに対して(吉川英治は吉川英治なりに女性像を膨らませたらしいが)、こちらは時子や平家の姫君とその乳母達をメインに、平家が没落してく苦境に立たされながらも心の誇りを失わず、力は小さくとも能動的に源氏の世を生き続けた女性達が、流麗な文章で書かれていてさすが吉屋信子だと思った。2024/11/24
Waka
0
おおむねおもしろく読んだが、明らかに史実と違うところがいくつか。 ・「崇徳院」は死後だいぶ経ってからの呼び方なので、存命中の院を「崇徳院」と呼ぶことはありえない。 ・清盛の初婚時と比較しても、高階家は家格が高いとはいえない。 ・基盛は重盛と同腹というのが通説かと思うが……。このくらいは設定上の許容範囲? ・長田忠致は清盛ではなくのちに頼朝に殺された。 ・以仁王は後白河院の第二ではなく第三皇子、高倉天皇は第三ではなく第七皇子。 ・和歌表記が中途半端に旧仮名遣い、中途半端に新仮名遣い。統一すべき。2020/04/16
Kanako Kondo
0
刀剣乱舞・戦国ナイトブラッドというゲームにドハマリし、もともとの日本史好きが高じ、最近昔のお話を読んでいます。今まで平家とは熊本県五家荘のイメージしかなかったのですが、この本は本当に面白い。時子の話し方が熊本弁に残っていて懐かしいし。 広元様。佑様。汐戸。典様。これからどうーなっちゃうの!?ってところで最後はざわざわ。下巻が楽しみすぎて速く読みたいです。2018/07/08