内容説明
政子の弟、二代執権の北条義時のたび重なる威嚇と脅迫も虚しく、実朝は決して北条家の意のままになろうとはしなかった。義時は遂に政子の暗黙の了解のもと、実朝の暗殺を実行に移す。鶴岡八幡宮における右大臣拝賀という晴れの舞台での悲劇であった。そして手を下した頼朝最後の遺児、公暁もたちまち抹殺され、源氏一族は完全に滅亡してしまう。天下支配のあくなき野望のおもむくまま、北条一族は遂には京に攻め上り、朝廷までも屈服させようとする。“尼将軍”と呼ばれた北条家の化身、北条政子の愛憎と妄執の軌跡を描いた歴史大作、完結篇。
感想・レビュー
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BIN
6
源実朝が弑逆され後鳥羽院による承久の乱までで後は簡単に北条政子や義時の死が簡単に触れられている。母親に殺されるであろうと知りつつ、将軍として清廉潔白に生きた実朝はまさに主人公で、首を取られるシーンには絶句(あとがきにもともと実朝を主人公として書こうと思っていたとのこと)。源氏がわずか三代でなぜ滅んだのか知りませんでしたが、著者の史観とは言えよくわかりました。北条政子ものと思って読むと痛い目に合いますが、鎌倉幕府ものと見てとれば良い作品でした。3,4巻は実朝さんの和歌がたくさん紹介されてます。2017/02/16




