内容説明
日本中が動きだした。新しい流れが古い流れを圧し、激流となって走りだした。水色桔梗の旗印はいま、新しい流れの中で輝いていた。流浪の身を朝倉義景に拾われた光秀は、鉄砲隊を組織した。怒濤のように押し寄せる加賀一向一揆をわずか三十丁の鉄砲が止めた。その威力に一番驚いたのは朝倉の宿老たちであった。しかし美濃を制した信長はすでに千丁を越える鉄砲隊を有していたのである。新旧急変の時は明らかだった。光秀は朝倉を去り、求めに応じて信長の客将となった。時と所を得、ついに光秀は土岐明智再興をはたしたのである。