内容説明
水色桔梗の旗印を押し立てて、下剋上の世を駆け抜けた戦国武将明智光秀、その生涯は新しい時代の幕開けであった。土岐源氏支流の名門の嫡流、母は若狭守護武田義統の妹、伯母は美濃の斎藤道三の正室という生れ。幼くして京都天龍寺で学問をおさめ、管領細川家に出入りするまでになった光秀は、元服するや、美濃の蝮道三の与力として寵愛を受けた。その道三と子義龍の争いに義を通した明智一族三百数十名は,居城可長山城を義龍軍三千七百騎に囲まれ墳死する。一人脱出させられた若き光秀に、明智家二百年の再興はたくされたのであった。