内容説明
伝説の赤い糸をたぐったならば先っぽに「スカ」と書いた紙がぶら下がっているのでは、と怯えていた私にもついに運命の人が現れた!と思いきや…。はたまた社会人一年目、めったに穿かぬスカート姿で鏡の前に立ってみたら…。暴れん坊の幼少期、冴えない青春の日々、ビックリ続きのOL時代のあれやこれやを、時に怒り、泣き、そして笑い飛ばす。「群ようこ」の出発点となった、無敵のデビュー作、遂に文庫化。
目次
恋は野となり山となり(ムシロマフラーの熱い午後;鰯と鯖とソフトクリーム ほか)
低血圧二〇〇〇マイル(犬や猫が降ってくる;銀髪の吸血鬼 ほか)
日曜日は本箱の整理(ポルノを読む;恋愛小説を読む ほか)
午前零時の玄米パン(あしたも元気に養命酒;コンニャク嬢の醜聞情報 ほか)
汗と憂いの日々(シェイプアップの日々;八百円で買った亭主 ほか)
著者等紹介
群ようこ[ムレヨウコ]
1954年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。大人気シリーズ“無印物語”をはじめ著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
52
ずっと読みたかった大好きな群さんのデビュー作。子供の頃や大学生の頃、出版社に居た頃の話など、群さんの本を沢山読んできたので『あ〜、あの話だ。』『あの頃の事かぁ』などと群作品の同窓会のような感じで読了。破茶滅茶な両親の元に破茶滅茶な娘が生まれ、破茶滅茶な人生。太くて短い、目が細いと色々自分の事を書いているが私は群さんのような生活は少し羨ましいのである。2018/06/25
リッツ
31
再読。前回は数十年前ではないでしょうか?無印シリーズが好きでデビュー作も買ったのだと記憶。背景には時代を感じますが、この観察眼が物語を生み出したんですね~。自分の事も他人のこともズバズバ言いたい放題。ふんふんと読んでいましたが終わり近くの白百合出身の同僚のところでついに「プハッ!」と。(初めて無印OL物語を電車の中で読み笑いのツボにハマって苦しかったのを思いだした)このタイトルをつけるには相当悩まれたそうですが、装丁のかわいさと共に救わ…いえバランスのとれた良い感じの本に仕上がってると思います。2020/05/13
みなみ
21
群ようこさんのデビュー作のエッセイ。少しお洒落なタイトルとは裏腹に、色んなものに毒づきながら日々の暮らしを描いていて、読んでいてスカッとする部分もあった。恋愛小説にリアルさを求め、結婚に夢を持っていない著者は、精神的にとても強い人なんだろう。母親との関係も何だかぎすぎすしていて、今の友達みたいな親子関係の人達のことを苦々しく思っていそう。2024/02/25
読書初心者
13
まさかエッセイで声出して笑うとは思わなかった。夏休み中に読み終わって本当によかった。登下校中に読んでいたら間違いなく恥をかいていた。毒舌な語りとテンポの良さが心地いい。語り手が毒舌な作品は人間の醜い部分を直に見せられている感じがして苦手なのだが、群さんは豊富な語彙と奇抜かつ的確な例えで殴ってくるので漫才を見ているような圧倒的な面白さがあった。これがデビュー作なのも驚き。大学で教材として紹介してくれた先生に感謝。ぜひとも他の作品も読んでみたい。群さんでオススメの作品があったら教えて欲しいです🙏2022/09/18
myunclek
13
これが、群ようこのデビュー作だってさ。椎名誠率いる探検隊が最も輝いていた時代の勢いが色濃く感じられる。ま、彼女が幼かった頃の武勇伝も相当なものだけど。兎に角、笑わせてもらいました。2018/07/21