内容説明
独裁者・豊臣秀吉は、政宗の伊達者ぶりを愛した。しかし政宗は、秀吉政権の脆弱さを見抜き、次なる天下人として徳川家康に白羽の矢を立て、接近を図る。秀吉の死、関ヶ原の戦い、大坂の役と、激動の渦中を政宗はしたたかに生き抜くが、その胸中に潜む野望を家康は見逃さなかった。百万石の書き付けは反故となり、政宗の夢は転換を余儀なくされる…。戦国武将中、随一の人気を誇る名将の生涯を描ききった、傑作歴史長編小説。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年、和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年、『深重の海』で第79回直木賞受賞。代表作に『夢のまた夢』(95年第29回吉川英治文学賞受賞)などがある。2005年、第53回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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C-biscuit
12
古本購入。下巻は秀吉の時代からであり、関ヶ原の戦いや、大阪冬の陣、夏の陣のところがわかりやすく面白い。家康の背後の奥州を抑えその功績を認められるが、天下を伺う姿勢や家康の懐柔策など、政略などの駆け引きが時代の面白味を増している。NHKの真田丸を見なかったので、詳しいところも知らないのであるが、政宗側から見ても強烈な強さを発揮していたようであり、詳しく知りたくなった。また伊達軍も相当に強く、被害も少なかったらしい。そういう戦い方も、領地が増える戦いでないための戦略だったようで、やはり、魅力的な武将である。2018/06/12
タカシ
2
秀吉の天下から関が原、家康、秀忠、家光までを生き抜いた政宗の後半の半生。やっぱり読みにくくて飛ばし読みでした。ただ大河ドラマは良く出来てるなと思いました。2015/03/16
うたまる
1
「仁に過ぐれば弱くなる/義に過ぐれば固くなる/礼に過ぐれば諂いとなる/智に過ぐれば嘘をつく/信に過ぐれば損をする」(五常訓)……上下巻を通じ、徹底して史料(日記、手紙)に拘った作風だった。そのため平時の狩果や贈答品の羅列には困惑させられ、味気ない読書が続くことになる。一方、戦時の大名や武士の気風もありのまま描かれているので、甘い歴史ファンや武将好きに冷水をぶっかけている点は痛快。特に浅野長政への絶交状は初見で興を惹かれた。最後に蘊蓄。仙台は政宗が改めた地名だが、その前は千代、更にその前は千体だったという。2016/12/18
沙雪
0
小説…?2010/11/14
アイゼナハ@灯れ松明の火
0
下巻は朝鮮渡海、関ケ原、大阪冬・夏の陣を経て政宗のお亡くなりになるまで。ふんだんに史書からの引用がなされ、時系列に並べられているので、史実に近いということかも知れないですが、特に後半は小説というより日誌の解説を読んでるような気が…。2010/03/17