内容説明
慶長十七年四月十三日、下関を出た舟は、船島(巌流島)へと向かっていた。「燕返し」とはいかなる技なのか。自分はそれにどう対抗するのか。「今度の勝負も、勝てるとしか思えぬ」―過酷な剣術修行に明け暮れ、血なまぐさい真剣勝負を制してきた宮本武蔵は、いかにして己の運命と対峙し、最強の相手・佐々木小次郎に立ち向かったのか。剣豪小説の第一人者が描く、世紀の決闘。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
昭和4年、和歌山県生まれ。東北大学卒業。昭和53年、『深重の海』で第七九回直木賞受賞。平成17年、第五三回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AICHAN
5
これもBook-Off。剣戟のシーンを描かせたら津本陽に敵う者はいない。著者自身、剣術の高段者だし、多くの武道家たちを取材してきているからだ。巌流島の闘いを堪能させてもらった。ただ、津本さん独特の「読点」の打ち方に戸惑うことしきりだった。2014/08/09
うたまる
1
有名な巌流島の決闘にスポットを当てている訳でもなく、武蔵と小次郎を並立的に描いている訳でもない。謂わば、『宮本武蔵』のダイジェスト版のようなもの。だから、なぜこのタイトルにしたのかが不明。結局、死と隣り合わせに生きる武蔵の強さの秘訣は、自らの思念と戦う一人稽古と、神仏に頼らぬ合理性の賜物か……「神や仏は、斬りあいする者を護ってくれやせんぞ。そがいな甘い考えを持ってりゃ、たちまち殺されらあ。わが命をとられるまえに敵を斬り殺すのが、降魔の剣じゃ。死にとうなけりゃ、わか技を磨くよりほかはなかろう」2013/09/23
KBS
0
武蔵が早熟というか若いうちから神がかってるなぁ2012/07/30
萌木のおやじ
0
手軽で読みやすいが、小次郎の記述は少ない。司馬遼太郎の「真説宮本武蔵」と読み比べるといいかも。2011/11/17