内容説明
都大路をねり歩く華麗な時代祭の行列。先頭の馬車に仕掛けられた爆弾によって市長が死亡、さらに再開した行列の中で静御前に扮した女性が青酸死した―。テレビ中継のゲストとして祭を見ていた推理作家矢村麻沙子は、馬車の入っていた倉庫の数字錠から事件の真相に迫ってゆく…。(時代祭に人が死ぬ)。歴史と伝統を誇る京都の祭を舞台に、トリック・メーカーの女王が贈る傑作推理短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シロくますけ
1
京都の祭りに材を取った七編。 「くらやみ祭り…」と「鞍馬の…」の二編は松本清張を思わせる。けど、人の心理の機微を描くのはこちらのほうがうまい。追い詰められていく者の焦燥感や嫁と姑の確執のいやらしさなど。惜しいのは、いくつかの作品は短編としてはそっけない。もっと肉づけして長編にすればもっとよかった。2024/09/16
コマンドー者
0
山村氏の短編集。初期の短編集だが、同一探偵が登場する連作短編集となっている。トリックメーカーの名に恥じぬ質の高い本格推理短編集となっている。2021/07/02