内容説明
小曾根圭子は祖母の兄である柳沢泰造の遺産相続のため、他の親族と共に孤島に呼び集められた。圭子は島に向かう船の中で、得体の知れない黒いものを、目撃する。島に渡ってからも、それは続いた…。そして遺産をあてにする親族は、一人、また一人とその人格を変え、屋敷は血塗られていく…。巫女的な気質をもつものに相続する権利があるという遺産とは何か。モダン・ホラーの女王が放つ傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
じゅんぢ
30
前半の雰囲気はもろ好みなのに、最後の展開があっさりしすぎて残念だ。前半の雰囲気を最後まで保てていたら「俺的10大傑作角川ホラー文庫」の仲間入りだったのに。2019/04/01
もっしゃん
24
圭子は自身のルーツを知るために亡くなった資産家「柳沢泰造」家からの招待を受けた。ボートに揺られ辿り着いた、そこは見えざる怪の気配が漂う奇怪な屋敷であった。巫女の才能を持つものしか受け継がれない遺産とは…。古書店で偶然発見、竹河さんのホラー系の小説は昔のどハマりして凡そ読んだつもりであったが本作は未読だったと思い購入。 血脈に、屋敷に、巫女の力と、前半の王道のホラー的な展開が良かっただけに後半がちょっと残念。2019/05/09
ナガサワ
4
竹河聖は【得体の知れないもの】の描画が上手い。というか、彼女の【得体の知れないもの】の描画が好きだ。ちょっぴりサスペンス要素を絡ませた展開。そしてエロチシズム。次の展開が読めるのにページをめくる手が止まらない。血のつながりと遺産の関係。まあ、長男なので『血筋』とかはチラリと身に覚えがあるのだけれど、そんな名家でもないので悩んだことはない。そして遺産にしたって……しかしこの物語の遺産は…… 扉絵はこちら http://t.co/bXPbLsRj2011/12/13
ジャッカル佐崎
0
大富豪の遺産分配のため、親族たちがホテルに集うも事件が…というテンプレ設定。前半は雰囲気たっぷりで進み、ホテル地下に広がる謎のトンネル、誰も姿を見たことがない大富豪の孫の正体…といった中盤以降の展開もツボは抑えている。なのに、どうもイマイチ盛り上がらないまま物語は結末を迎えてしまう。幸運をもたらすという遺産の説得力の無さ、モブ死するだけの個性の薄い親族たち、あっさりし過ぎている黒幕の最期など、後半はどうにも読みごたえが無くスッキリしない。ゴシックな前半の雰囲気が良かっただけに物足りなさが際立つ。2023/05/11
No.7
0
あとがきに「書き始めてから体調を崩した」と御本人が書いておられました。確かに竜頭蛇尾というか、途中でガラッと変わってしまぅた印象です。でもラストも設定もキチンと収まっていたので満足です。2020/10/21




