内容説明
江差―榎本軍にとって、江差は痛恨の海である。榎本軍の希望の星であった旗艦開陽は、暴風に襲われ、ここの海に沈んだ。決死の戦いを続ける榎本軍に薩長の軍艦は容赦なく砲撃をあびせ、ついに江差は陥落した。敵は箱館五稜郭に迫ろうとしている。蝦夷地に徳川の王国を築こうとする榎本武揚の夢は、はかなく消えるのだろうか。会津藩再興の悲願を榎本に託した会津藩士たちと、新選組残党土方歳三たちの運命は?戊辰戦争最後の戦いを描く。
感想・レビュー
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いたろう
45
続巻。新政府軍の蝦夷地・榎本軍への襲撃開始から、箱館戦争の終結まで。この巻の主役は、既に総裁・榎本武揚ではなく、様々な思いを胸に志半ばで散っていった志士たち。箱館戦争終結後、明治新政府のなかで大臣を歴任した榎本武揚に対して、彼について蝦夷地に渡り、戦のなかで死んでいった者たちは何を思うのだろう。榎本武揚に比べて、土方歳三の潔さに男気を感じる。2016/03/20
ヨシ
0
この当時、気象予報がもっとが発達していれば独立国家は永く続いていたかもしれない。開陽丸を失っては計画が成立しない。2015/08/29