内容説明
沢原は焦っていた。一枚の写真と物語で世界を構築するフォトライターとして、手応えある狙うべき像が見つからない。感性は鈍化し、才能は枯渇してしまったのか?沢原はカメラを手にやみくもに街を彷徨いた。理由のない怒りを覚えながら。その男の目は暗く、倦んでいた。沢原は鏡ごしに初めてその男と対峙した時、直感した。“こいつだ”と。そして、男の連れこそ沢原が忘れることのできない女性・彩子であった…。秀作「鏡の顔」他、四編を収録。日本冒険小説協会最優秀短編賞受賞作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつや
6
短編5編。うち4編がお得意の殺し屋が出てくるハードボイルドなやつ。前の2作は正直微妙。後ろの2作はエンターテイメント性が増してまあまあ面白かった。でもそんなのよりも真ん中に挟まった「インターバル」が一番好きだ。殺し屋でもなんでもない普通の男が1ヶ月の休暇を用いて鈍った己の肉体を鍛え直すという、ただそれだけの内容。走って、自重トレやって、飯食って、本読んで、思索するだけ。死人も出ない平和なものだ。本の構成やタイトルから想像するに、おそらく幕間の口直し的1編なんだろうけど、それだけに毛色が違って印象に残った。2021/02/13
HARU3
3
新宿鮫(1990)以前の短編集(1985)5編。主人公は、殺し屋や組織をやめた男。哀愁ただよう余韻が印象的。★★★★☆2013/04/27
まき
3
男臭い短編集。派手さのない「インターバル」の書き味が好き2012/06/10
鮎川まどか@AnxAn
3
お気に入りは「鏡の顔」。 特にタバコを拾うシーンが印象的で忘れがたい。 現状に飽いた男達の物語集。2011/04/16
ヒサヲ
3
玉石混合だが「アイアン・シティ」が秀逸。2008/08/09
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