内容説明
パルス暦321年7月末、大気は乾き、風が強い。大陸公路は風塵の乱舞するなかにあった。国王アンドラゴラス三世ひきいるパルス軍十万と、ギスカール公爵ひきいるルシタニア軍二十五万は王都エクバターナの東方で正面から激突した。又、このとき、南部海岸地帯の町ギランから急速度で北上した王太子アルスラーンの軍二万五千は王都の南方250キロの距離にあり、王都の西方80キロの地点にはヒルメス王子の軍三万が潜んでいた。パルスの支配権をめぐる総ての軍勢が、王都に向けて、突き進みつつある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
42
パルス王国の諸将たちが、みんなそろって王太子派で、反アンドラゴラス一色なのは違和感と言うか、なんとなく不自然。現代ならともかく、生き馬の目を抜く戦乱の時代に、アルスラーンのような柔和な人物が、ダリューンやナルサルは別としても、その後、麾下に馳せ参じる驍勇無双の武人たちから、かように圧倒的に支持されるものだろうか? もちろんファンタジーの話だからいいんだけど。それにしても、アンドラゴラスが嫌われすぎじゃないか。2024/07/27
扉のこちら側
39
初読。2015年501冊め。清々しいアルスラーン軍勢の活躍と、対するアンドラゴラス国王軍らのおどろおどろしい戦い。次巻、いよいよ王都へ。2015/04/25
Tetchy
30
王都奪還という大事の前の小休止といった巻。前巻ではアルスラーンの行く末に不安を覚えたが、本巻ではなんと海賊の隠し財宝探しに向かうという余裕がある。でもこういった行動にもきちんと理由を付けている田中さん、上手いわ、ホントに。2009/04/03
キラ@道北民
26
シリーズ第6弾。南部海岸地帯の町ギランで、アルスラーンに人と軍資金が流れていく様には清々しさを感じる。パルス3軍に対峙することになるギスカールが、気の毒でしかたない。2021/06/30
みか
20
南国のバカンス編。程良い冒険に海賊退治、希望と絶望、そして再会。外れた歯車がおのおの勝手に空回り。しかしいくら王妃様とはいえ、勝手に家臣の部屋に入り込むのはいかがかと。兄貴と騎士見習いも揃い踏み、いよいよ出陣。でも約束の5万には届いてないけどいいのかな。無知と盲信がいかに醜いかを思い知らされるルシタニアの狂信具合。アンドラゴラスも一体何を考えているやら。そういう意味ではヒメルスは案外わかりやすいのかも。2015/01/30
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