内容説明
藩のため剣のため、すべてを捨てて生きる武士の姿を悲哀とユーモアで綴った傑作時代小説。
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1949年千葉県生まれ。青山学院大学卒業。1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。日本推理作家協会会員。SF・ホラー映画愛好家としても有名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
11
時代小説怪異譚も三冊目。これだけのレベルの短編と掌編の組み合わせを読めるのは嬉しいな。どれも怪異ものではあるけれど、短編はユーモア寄りの内容で、面白かった。掌編は相変わらずの短さで、ぞっとするような斬り口で、そこも良かったです。2024/08/22
kazukitti
2
湯治宿が一番よくある秀行先生の作品て感じだったかなぁ。単行本のタイトルのこのブラックユーモアな感じもある意味あんまし見ないけど、たまにあるコメデイ要素がにじみ出てる感じした。割と正当なホラーって感じのうどんがなんか落語の怪談風というかパタリロっぽかった。つか、その前のお笑い切腹侍の余波で、あんましでぶでぶ言ってるから戸谷一族のご先祖の話かと無駄な先読みしちゃったよw2017/12/09
なおり
2
腹を切ったのに生きて歩いている。怖いけどユーモラス・・・。 夏の怪談話を聞いた気分。暑い夏の気晴らしに良い作品。2013/08/14
ケイト
1
ハイレベルなホラー作品ばかりで、読んでいて興奮したり悪寒が走ったりすることもたびたびでした。哀切な「湯治宿」にはじまってシリアスに行くかと想えば表題作では転調してブラックユーモアあふれている充実ぶりで(父子のやりとりが特にもうおかしいの何の!)、締めくくりの「うどん」はどんぶりの中身の正体におどろかされつつそれを食べる人たちの狂いように戦慄していました。全編とも、短編作品はまるで長編を読んでいるみたいに心ゆくまで楽しめますし、あいまにはさまれた掌編作品も切れ味するどくて居合い抜きのように油断がなりません。2015/10/04
ベック
1
本書を読んで印象深かったのは、先を読めない展開の作品が多かったということ。「湯治宿」にしろ「悪2007/08/05