内容説明
ときに楽しく、ときに切なく、恋愛を引き立てるクルマたち。そんなクルマがさらりと存在感を漂わせる、恋愛小説集。ロスの郊外で、思い出のフォルクスワーゲンを見つめながら、十代の失恋を、痛みとともに懐かしむ「あの頃、フォルクスワーゲン」、大きな体で、なぜか小さいクルマに乗っている青年との恋を描いた「コスモスが泣くかもしれない」など、ほろ苦さの中にも、愛おしさあふれる、大人のための5つの愛の物語―。
著者等紹介
喜多嶋隆[キタジマタカシ]
1949年5月10日東京生まれ。コピーライター、CFディレクターを経て、第36回小説現代新人賞を受賞し作家に。スピード感溢れる映像的な文体で、リリカルな物語を描き、多くの熱烈なファンを獲得している。湘南・葉山に居を構え執筆と趣味の海釣りに励む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
93
車を舞台にした恋愛短編集です。登場するクルマは五台で、ロスではビートル、富良野ではパジェロ、ニューヨークはキャンピングカー、箱根芦ノ湖はユーノス、湘南の鎌倉はミニになります。北海道の富良野はワールドカップスキーをバックにステキな話が綴られています。個人的にはラストのミニの話が好きです。男女それぞれのジュニアのサッカーコーチの出会いから、親しくなるまでが喜多嶋先生ならではの描写かなと。全部が全部、ハッピーとはいかなくても大切な思い出はクルマとともに自分のキモチ、アタマの中で永遠に語り継がれていきますね。2024/06/11
空飛び猫
4
傍らには車。 多分いつか、思い出を乗せて、走る。2018/08/19
kikizo
4
この人の小説はいつも読後感がいい。今回も車をキーワードに軽い語り口調で淡々と物語が紡がれていく。わたせせいぞうさんの挿絵があればピッタリ。と言う感じの作品の数々。肩も凝らず新緑の爽やかさを感じました。2018/01/08
馨
4
舞台が外国のものがあったし読みやすかったです。
パパんつ
3
VWビートル、三菱パジェロ、キャンピングカー、MAZDAロードスター、ミニ…これらの名車と、それぞれの恋の物語です。 ちょっぴりビター&スウィートな大人のための作品。 クルマ好きの方、ぜひ読んでみて! 読後の爽快感は格別です!