内容説明
心をとらえた一枚の写真が、僕の胸で、潮の香りにつつまれて一編の小説になる。砂浜に並んで坐り、最後の夜を一緒に過ごした彼女。オール・ブラックスに憧れて、チョコレート色の肌を汗のしずくで輝かせながら駆けていった少年。失った恋の思い出に、一粒の涙をこぼしたあの娘。汗も涙も思い出も、海からの熱い光で、少しだけ大人の色に変わる。34編の恋の真空パック。鮮やかな日々を描いた小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
83
古くささは否めませんが、今読むとそれこそが本作の醍醐味であり、真骨頂なのかもしれませんね。喜多嶋先生が綴るこれでもかとばかり、たたみかけてくるかのようなショートショートで、なんとその数34編にもなります。基本的にはほっこり甘めのラブストーリーが中心ですが、中にはちょっぴり切ない話もあり、ホロリとくる展開も。年齢に関係なく、一時の経験が後々の人生に大きな財産となる機会が少なからず訪れていると思います。その機会をいかに大切にし、自分にしっかりと生かすかがとても大切なコトかもしれませんね。さらっと読了でした。2024/06/30
読み人知らず
2
このタイトルが好き。戦争で引き裂かれたり、感情が邪魔になったりしてる。辛いな2013/09/15