内容説明
ワイキキビーチの東のはずれ―南十字星ホテル。プールの救助員兼探偵、それが僕の仕事だ。僕の前に現れる女の子たちは、輝く肢体と意志的な瞳を持ってるけれど、心は波立つ海の様に揺れている。結婚前夜、まだ迷っている女の子。想う人を待ち続ける地元の娘。この熱い島ではみんな、装いを脱ぎ捨て、本当の自分を見つけることができる。僕の胸に、鮮やかな想い出と、真夏の香りを残していった彼女たち。海辺のホテルで僕が出逢った、少しせつない6つの恋の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
88
ハワイのとあるリゾートホテルで起きる様々な騒動をホテル探偵「ケンジ」からの目線で綴られます。相棒ともいうべき、ホテルのプールバーのバーテン「フォン」とともに、プールの監視を務め、色んな出来事に巻き込まれます。書かれたのが平成元年であり、時代を感じさせますが「ケンジ」の常に相手を思いやる言動にキモチが揺さぶられます。落ちぶれたメジャーリーガーの話と、結婚に迷う大学の同級生の話が印象的でした。暖かい青空の下で本作に登場するステキなカクテルを飲んでみたくなりますね。この頃、きっといい時代だったんだろうなぁ。2024/05/26