内容説明
思いもかけなかった検察による大手都銀への強制捜査。朝日中央銀行企画部次長の北野浩は崩壊の危機に直面し、志を同じくする役員、上司、同期のMOF(大蔵省)担らと共に銀行の健全化のために立ち上がる。派閥問題をめぐる上層部の葛藤、外部勢力の圧力、マスコミによる糾弾が続くなか、北野たちは闇社会や組織の呪縛と闘っていく。新執行部のもとで頭取秘書役に抜擢された北野は、行内の軋轢と外圧にさらなる闘いを挑む。ビジネスマン誰もが感じる大組織の閉塞感からいかにして脱却していくかを、一人の管理職の生き方を通して活写する問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムトモ
61
電)前作より銀行も主人公も変わり物語開始。こちらが役所サン出演映画の原作なんだと認識。バブル期の自行のツケをミドル世代が立ち回り組織の改革&浄化していく様子は読み応えありましたが…登場人物が多いためこの人誰っけ⁉︎って場面が続き、役所サン&椎名桔平&山崎努が演じた人物以外は追うのに一苦労でした。が…現在のような電子化&グローバル化が進んでいない時代の組織浄化の攻防戦読み応えありです。(ノ-_-)ノ~┻━┻中年サラリーマンは必読です〜〜2018/06/19
k5
40
金融の話に軸が置かれていた前作とうってかわり、銀行の人事と検察の取り調べに重点が置かれた前半。主人公の北野は前作の竹中のような清濁合わせ呑むタイプでなく、感情移入しやすいです。正義の味方と敵役をくっきり線引きしたことによって、読みやすくはなっているのだけれど、物語としての深みは減ったかな。とくに若手が銀行を立て直すことに軸が置かれてからは、「腐蝕」感がほぼないので。あとは視点の変更と回想が頻繁すぎて、臨場感が出てない気もします。下巻へ。2020/05/26
しーふぉ
11
総会屋への利益供与に揺れる朝日中央銀行。反社会勢力や銀行に巣食う老害の呪縛を断ち切れるか。2014/02/18
ちゃあぼう
6
前作から登場人物とその舞台は変わってはいるものの前作より、更に生々しい様相が描かれている。今回は総会屋対策と銀行内部の権力闘争の二点に絞って描かれているので読みやすかった。権力の座にしがみつき会社全体に悪影響を及ぼす、いわゆる老害。それに対抗しようとする若い力の戦いが面白い。読者としては若い力に肩入れして読んでいるのだが、きっと、ほとんどの読者は同じように若者たちを応援しているのではないだろうか。下巻は検察との戦いも多く描かれそうで、どのように対抗していくかが楽しみです。それと、佐々木顧問との対決も。2025/05/17
とみやん📖
6
高杉良作品は、はじめて。城山三郎を思い出させる、サラリーマン熱血小説? 第一勧銀の過去の事件をモチーフにした作品というところにすごく興味があり、手にした。 銀行ものと言えば、昨今は池井戸さんといった感じすらあるが、こちらもなかなか良いです。派手さがないのが逆に。2016/05/22
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- 和書
- もりのおいしゃさん