内容説明
おふくの父・斎藤利三が、主の明智光秀に従い本能寺で織田信長を討った後、捕えられて処刑された時、おふくは4歳であった。戦乱の時代は、幼い少女の運命を容赦なく翻弄して行く。身分を隠して母方・稲葉家の養女として成長したおふくは小早川秀明の重臣・稲葉正成の後妻となる。しかし関ヶ原の戦いで裏切り者の烙印を押された秀明の恨みを受け正成は浪人となる。徳川支配が確固になると見るや、おふくは二代将軍・秀忠の正室、お江与の方に乳母として仕えることを決心した。―春日局おふくと後に三代将軍・家光となる竹千代との運命的な出会いであった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鶏豚
13
徳川家光の乳母・春日局ことおふくの波乱万丈の物語。火宅とは「汚濁と苦悩に悩まされて安住出来ないこと」とのこと。没落した一族に生を受け、後妻として嫁いだものの、夫の裏切りの発覚。それでもお家再興の為、起死回生に打って出た江戸城での乳母の選択と、子ども達との別れ。彼女はさして聡明でも寛容な人格でもない。しかし、悩み苦しみながらも、平凡なヒトが人生を切り開くために強い意志を持って一途に生きる尊さを賛歌している。(3.0/5点中)2022/07/24
ちばっち
4
朝廷から春日という名前までもらって辣腕な女性というイメージでしたが、意外と阿茶局の言うがままに行動しているだけだったりして、ひたすら竹千代(家光)か可愛いだけの母性本能が強い猪突猛進な人物として書かれていたのに驚きました。意外とそんなものなのかもしれませんね。2015/04/14
Splash
1
家光の乳母として力のあった春日局。彼女を中心に置いた小説はなかなか見つけられなかった。明智光秀の重臣斎藤利三の娘が、どうやって将軍家の乳母になったのか。きっかけとなったのが、嫉妬に駆られて夫の妾を殺してしまったことだったったという。家康の愛妾の阿茶局と良い関係を築けたことが、家光の三代将軍就任を後押ししたようだ。権力は意外と少数の人間関係で決まっていく。2017/04/23
ぐら
0
★★★★★ 春日の局に対して抱いていたイメージが変わりました。「強いところも女性らしく、弱いところも女性らしい」と思いました。2009/02/15
belly
0
春日の局は本当に気が強い女だったのね。今の女性みたい2009/02/25
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