内容説明
幻想怪奇作家・夢枕獏の原点ともいえる短編を厳選して収録した平成の「雨月物語」。チベットで鳥葬の儀式を見てきた男に降りかかる悪夢を描く『鳥葬の山』、他人には見えない人形を使って殺人を繰り返す少年を描く『ころぽっくりの鬼』など、言葉が紡ぐ恐怖の限界に挑む傑作ホラー作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
234
著者・夢枕獏氏といえば、"エロスとバイオレンスとオカルト"という作風で、オカルト要素を散りばめたエログロの伝奇バイオレンス。ひたすら男たちが肉弾戦を演じる本格格闘小説を得意とするイメージがするが、少女向け小説やジュブナイル小説なども執筆していてエログロ一辺倒の作家ではない。数多くの作品が映像化され、『陰陽師』シリーズや『黒塚 KUROZUKA』などのアニメも手がけている。本書は、作者自身が選んだ自選集で、10作品の短編にて編まれてた一書。いかにも夢枕獏氏らしい作品群で固められているといえるだろう。2021/05/15
ポチ
56
怪奇と奇妙が混ざったような、なるほど雨月物語だ。2017/12/12
トムトム
21
怪奇短編集。ぬめっとズルっとドロっと。全体的に湿った感じの恐怖小説たちです。怖いというよりも気持ち悪い?感覚に来ます。2020/06/20
ちょん
20
読んだことあるのが多めの夢枕獏さん短編集。鳥葬の山がもう一度読みたかったので良き🐦リトルワールドの展示で鳥葬の映像が見れるのですが、あれは脳裏に焼き付いて離れない。なんか同じ人間なのにこんなに違う文化があるのか、と世界の大きさを感じました。何も残さないってすごい。チベットに行きたくなる。2024/04/27
nico.pp1
13
幻想怪奇小説集。グロテスクな鳥葬の儀式をみてきた男の話と人形をとりつかせてポックリと死なせてしまう少年の話が好みでした。2014/09/16