内容説明
妖気、幻想そして悪夢―永い刻をへだて、血の湖で再び相見えた宿命のふたり、久鬼麗一・大鳳吼(キマイラ神話変序曲)。異常食欲をみせる男の口の中から現われてきた餓鬼。雨の晩、窓をたたき、せつない目で見つめる雨女…。圧倒的なパワーと魅力が炸裂する夢枕獏の初期作品群。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
9
夢枕さんのデビュー前に書かれた作品を含めた作品集。あるいは、書いた本人が「この物語は絶対におもしろい」とはいえないような作品集…という観方もできるのかもしれない。しかしぼくは『自分を食った話』と『頭怪大学興亡史』を読んでたまげた。前者は愛便糞食譚であり、後者は学園紛争時代にノンポリだった著者ゆえに書けたようなドタバタSFちっくな話。ぼくは下品なものとロマンとを結びつけるような想像力が大好きなのである。とくに女性器を「ひげをはやしたさんかくのおばけが、舌を出してアカンベをしてるんです」と描写できるのは感動。2016/01/26
Simone Biblia
2
『闇狩り師』の短編シリーズの中の一篇『餓鬼魂』の原案ともいうべきシナリオ短編が含まれている。 『闇狩り師』のあと、円谷プロによるビデオ映画の原作としても使われた。 この辺の事情は、著者あとがきに簡単に記してある。 九十九乱蔵が出る出ない以外にも、餓鬼魂に取り憑かれる過程やその因子に違いがあるので、両者を比較してみるのも面白い。 2024/11/22
るる
2
あたまおかしい本だった。夏の夜にでも読むのがふさわしい。どれだけ醜悪なものを作品として作れるか、という作者の好奇心で書き殴った破片のような作品集だった。2016/05/15
1977年から
0
1988年
なるかみ憂
0
短編集。キマイラが外法樹になっちゃったりしてる「キマイラ神話変 序曲」。この展開に最後を持っていくのか、はたまた別ルートになっていくのか。昭和60年8月あとがきということは6キマイラ如来変あたりに書かれたのか。2011年現在最新巻は文庫換算で17巻目の9玄象変だけどこの先どうなるのやら2011/09/08
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