内容説明
浦本洋次は港町で暮らす網元の次男坊。中学生の彼は、海に生きる男たちの背中を見つめ、大人になるということの意味を考えていた。洋次は、多感な想いを喧嘩、陸上競技、冬の船上にぶつける。だが、それでも洋次の痛みと苛立ちは消えない。少年に重くのしかかる家族の秘密。船子たちが垣間見せる悩み。老いた漁師のやり場のない哀しみ。そして、同級生への密かな恋と性へのあこがれ。すべてが、洋次の試練となり、心を激しく突き動かしていく―。少年の心象風景と成長を鮮烈に描いた北方文学の名品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サン
19
網元の次男の主人公は多感な中学生。中坊だけど、自分の小ささ、大人とは、と考えている。姉や兄の秘密。部活、周りの大人たち。誰もが抱えるような悩みをリアルにハードに描いている。2020/04/19
たーくん
8
浦本洋次は港町で暮らす網元の次男坊。中学生の彼は、海に生きる男たちの背中を見つめ、大人になるということの意味を考えていた。洋次は、多感な想いを喧嘩、陸上競技、冬の船上にぶつける。だが、それでも洋次の痛みと苛立ちは消えない。少年に重くのしかかる家族の秘密。船子たちが垣間見せる悩み。老いた漁師のやり場のない哀しみ。そして、同級生への密かな恋と性へのあこがれ。すべてが、洋次の試練となり、心を激しく突き動かしていく―。少年の心象風景と成長を鮮烈に描いた北方文学の名品。 2019/12/28
かずぴょん
0
あの頃、僕も少年だった
ふっちゃん、男性60歳代(乱読書歴50年)→70歳になった。
0
小さな港町の中学2年生の洋次。集団が好きでないので、陸上短距離をして居る。この少年が、少し大人への道を歩き始める。網元の親の期待、部活先輩との軋轢、周りの女のコとのココロの動き。北方謙三さんの少年時代の事が重なってるのか、それとも強い自分の想いが描かれているのか。 【4.9】2021/10/15