内容説明
荒海を渡り、絶壁をよじ登って、男は女のもとへやってきた。「私がいる。おまえには私がいる！」ただその一言を伝えるために―。絵を描いて、生きてきた。暴力になど縁がない、と思ってきた。生命ひとつ分の弾丸よけにしかならないだろう。だが、決めたのだ。生ある限りおまえを護る。人生の秋を迎えた画家がめぐり逢った、若い女。過去も本名も知らない―何故追われるのかも。だが、女の瞳に真心を見たとき、男の何かが弾けた。海のような愛に包まれて、女の過去が融けてゆく―。再び熱き闘いの幕が開く。ブラディ・ドール・シリーズ、第４弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
54
ブラディドールシリーズ第４作。今回の中心人物は５８歳、画家の遠山。今まで体を鍛えた事もないような芸術家が、愛する女性のためにここまで体を張れるのか！？そして彼を助けるいつもの登場人物達。読んでいてこちらが恥ずかしくなるような、気障なセリフ、葉巻、車、酒、生き方へのこだわり。これぞ北方ハードボイルドの真骨頂。引き続き第５作『黒銹』再読へ！2021/07/27
Take@磨穿鉄靴
36
ブラディドールシリーズの４作目。今回は画家のおじいちゃんのお話。武闘派ではないので派手な立ち回りが無い分、崖を登ってさらに降りるという無茶をするそんなお話。シリーズ物なので安心して楽しめる。今回も楽しめた。巻末に北方謙三氏と別の作家との対談が写真入りであったけどまだ北方氏が微妙に若く（それだけ古いということなんだけど）得も言われぬダサさを醸し出していたのが印象的。作品のイメージからその対談この本に載せる必要ある？という印象。引き続きシリーズ楽しませてもらいます。★★★☆☆2023/10/03
ねこまんま
36
ハードボイルドの主人公が芸術家、それも画家なんて、斬新だわ。 それにしても、若いころからたいして鍛えたこともない５８歳の男性がここまでタフなのはちょっと不自然じゃあありませんか。 まあ、あの崖でずっこけて死んでたら話にならんので、当然か(笑) なぜ彼女が追われているのか、気になるのはその一点で、話がごくシンプルなだけに、男たちの思いがストレートに伝わってくる。 こういう単純な話が私は一番好きなのかもしれない。2016/07/12
せ〜ちゃん
26
★★★★★ シリーズ第4弾。2016/05/10
じゃに
9
何もか語らず守り抜く。信じた友の為には全てを懸ける。真実の愛の為には命を懸ける。素敵過ぎる漢達に今回もたっぷりハマらせて貰いました！バカラのグラスを何年か振りに引っ張りだしたので次巻も片手に読み進めます。2015/12/07
