内容説明
第三セクター「秋田杉美林センター」の欠陥住宅問題と、県が同社に追加融資した巨額の金の行方に揺れる秋田県。県政のイメージを一新するため副知事に抜擢された望月世津子のもとには、怪しい警告文とともに、謎の焼死事件に関する記事が送られてきた。「やつらにやられた」と言い遺したにもかかわらず自殺とされた死の真相は?世津子の私設秘書として同地に赴いた浅見光彦が政治の闇に鋭く斬り込んだ傑作社会派ミステリー。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。82年には、浅見光彦が初めて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている。08年3月、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨーコ・オクダ
28
地方の第三セクターを食いものにし、その地方の評判までガタ落ちにさせた〜という、現実にあった事件をベースに、県政の悪しき部分を炙り出す。兄上と親しい女性副知事の秘書という体で現地に乗り込み、調査を進める光彦。兄上のバックアップも見込めることから、いつもより光彦が攻め気味なような…。一方、地方の警察が一連の事件に無理やり蓋をするような役割をしてしまっているので、兄上も刑事局長として相当苦慮したはず。最終的には、兄上、副知事、光彦それぞれの正義が保たれていてスッキリ気分。ただし、光彦にはオチ有りw2021/08/10
sweet november
11
昨晩、久しぶりに浅見光彦シリーズ「神楽島」をテレビで見ました。私はどちらかと言うと、小説の方が好きです。この「秋田殺人事件」は、政治的な面が強く出ていて私としてはあまり好きな内容ではありませんでした。2015/09/04
sarie
10
光彦シリーズ84作目。秋田県に赴任する新副知事の私設秘書兼ボディーガードをすることになり政治絡みの事件を追うというお話。 実際にあった事件がモデルとなった作品で、ラストはすっきり系で面白かったです。2016/03/15
穀雨
5
ひさしぶりの浅見光彦シリーズ。新任の副知事の私設秘書という形で秋田県に赴き、事件の解明にあたるのだが、やはり副知事秘書の肩書きは効果てきめんのようで、ストーリー展開のテンポもこころなしかよく感じた。ただ、シリーズのご多分に漏れず、事件の全容はかなり複雑。スーパーの袋を持って家路を行くサラリーマンについて「光彦の母が見たら卒倒するだろう」などと書かれていて時代を感じた。2024/04/12
くらげ@
5
(☆☆☆)秋田にいくので読みました。秋田杉のCMにスギちゃんがでていました(笑)。今回は兄・陽一郎の後輩、望月世津子の手助けのために秋田へいく光彦。副知事の秘書役。政治的な面が強い話でした。2015/09/19