内容説明
琉球王家最後の姫君が名門・井伊家に嫁いだ事から始まった彦根の名物行事「ブクブク茶会」。その行事に沖縄から参加した式香桜里は、幼い頃から「神の子」と言われる不思議な能力を秘めていた。数日後、彦根において香桜里の素性を執拗に探っていた不審な男が、琉球王国の聖地・斎場御嶽で死体となって発見される。事件究明の依頼を受けた浅見光彦は、急遽、沖縄へ。神秘の国に封印された悲劇の連鎖。美しき霊能者が抱いた儚き恋の行方。名探偵・浅見をも惑わす驚愕の真相とは。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。1982年には、浅見光彦が初めて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roomy
22
犯人をみつけはっきりさせるのがいいところだからちょっと残念な終わり方かな。大勢の身の安全を考えたらベストだといってもいいのかもしれないが複雑な気持ちです。沖縄に行きた〜い! ちょうど前世の本とか読んでいたので行く場所や行った場所は自分の前世で生きていた場所ってことなので何か沖縄に縁があるかもと作品の内容はおいといて違う事を考えて楽しくなりました。2016/01/16
しんた
9
作品中屈指の切なさを誇る作品。沖縄がメインで大津がサブ。割と最近の作品で携帯電話も登場する。おどろおどろしさがあまりない沖縄を著者が敬遠してきたのもわかる。2017/01/15
ひまわり
6
久し振りの浅見光彦シリーズ。知人の名前が登場人物として出ているということで読んでみました。沖縄の歴史,食文化,ユタについてなど。沖縄について今まで以上に知ることができました。2015/03/01
Luisa
2
ユタについて知りたかったからそれに関しては満足。でも、主人公と2人の女の三角関係は全く不要でなぜストーリーの中に混ぜたのか不思議でならない。2016/01/10
しんすけ
2
1960年代の学生運動の渦中に沖縄の学生の何人かと友人になった。まだ日本「返還」は実現していない。だが、沖縄の学生の言葉には日本への帰還を否定するものが多く驚かされた。それは、日本から独立して一国を築くのが正しい方向とするものだった。沖縄について不勉強だったぼくは、何点かの文献を読むことで沖縄の歴史を理解しようと努めたものだ。どの程度の理解が出来たか不確かだが、読めば読むほど沖縄独立に同調している自分が存在しているだけだった。本書は推理小説だが、ぼくの気持ちを代弁するような文章が連なっているのを感じる。 2015/08/13