出版社内容情報
虚無僧姿の男の死体が、青梅街道で発見された。被害者は会社役員・羽田栄三。羽田は死の直前「失われた道の意味がわかった」と妻に語ったという。取材で近辺を訪れていた浅見は事件に深く関わることに――
内容説明
青梅山中で虚無僧姿の死体が発見された。被害者は会社役員羽田栄三。「旅と歴史」の取材中に事件に遭遇した浅見光彦は、独自の調査に乗り出す。浅見は尺八名人の羽田が修善寺ゆかりの秘曲「滝落」の吹奏を拒絶していたことを知り、源頼家忌と重なった事件当日には、修善寺で虚無僧が目撃された事実を掴む。かつて修善寺で暮らしていた羽田の過去とは?頼家忌の伊豆で何が起きたのか?発見現場の青梅との関連は?やがて、浅見の前には「失われた道」という謎の言葉が立ちはだかる…。内田文学の新境地となった傑作長編推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Taka
56
浅見光彦シリーズ。今回のキーマンは虚無僧。キレキレの推理でズバッと確信に。今回のマドンナにもぐらっときてるところもまた見どころ。外さない内田作品、もう新作が読めないなんて悲しい。2018/09/17
タカシ
5
青梅の山中で虚無僧の死体が発見された。浅見は被害者の失なわれた道というメッセージの謎を捜査する。なかなか奥が深かったですね。次巻も期待。2015/04/09
秋庭誠
5
事実上の再読。この作品を目処に、社会派のミステリーになっていくんだな…。「埋蔵金」を巡る、ミステリー。面白かったです。きちっと、終わらせるから良いんだよなー。 ★★★★★ 土肥には、文中のようなビルはないぞ!あと、土肥に行くのには、うんざりするくらい時間がかかるぞ。覚悟しとけ!(なぜ命令口調)2012/10/18
しんた
4
行ったことがない伊豆土肥が舞台。読むのに時間がかかったが、終わってみれば悪父凶暴息子テンプレだった。2016/04/16
鉄人28号
3
☆☆ 一回目はH13.1.13 タイトルに「殺人事件」のつかない初期の作品。旅情ミステリーから社会派ミステリーへの転換と解説されているが、依然として旅情もある。浅見光彦と彼を取り巻く人々との会話は洒脱で楽しい。本格派のミステリーからは少し外れる。 2016/02/16