内容説明
下関から新幹線に乗りこんだ男が「あの女にやられた」と叫び、突然の死を遂げた。あとに残されたのは「火の山で逢おう」という謎めいた手紙。そして差出人は“耳なし芳一”となっていた。偶然車中に居あわせたルポライター浅見光彦は、嫌疑をかけられた漫画家志望の家出娘池宮果奈、と自称ヤクザの高山に救いの手を差し伸べたばかりに事件にかかわることになってしまった。「あの女」とは誰なのか、“耳なし芳一”が企む過去からの復讐とは―。絶好調“浅見光彦シリーズ”舞台は長州下関へ―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
一笑
20
関門トンネル人道に興味を抱き、下関を舞台にした耳なし芳一からの手紙を30年ぶりぐらいに再読した。新幹線の中で男が毒殺され、何故か偶然乗り合わせていた浅見光彦が犯人を追詰めていくというお馴染みのパターだけれど、漫画家志望の果奈やヤクザの高山等々、ちょっといつもとは違ったキャラクターが登場していてやっぱり面白かった。背景には太平洋戦争がありなかなか重い話だけれど。関門トンネル人道だけでなく、火ノ山公園、赤間神宮、壇ノ浦、巌流島、観光スポットもいろいろあるらしい。ちょっと遠いけれど下関に行ってみようかしらん?2025/02/23
まり
11
図書館本。今回の相棒は刑事さんではなく漫画家さんとヤクザさん。このかけ合いが面白かったし心地良かった。漫画家のヒロインは無鉄砲だけど天真爛漫で魅力的だった。相変わらず光彦は引いてたけど…。ヤクザさんの高山さんは、お茶目な感じ。どうしても暗くなりがちな事件が少し2人のおかげでマシだった。2023/03/30
十六夜(いざよい)
10
歴史と事件をうまく絡めた面白さでした。平家物語や耳なし芳一のさわりは知っていたが、その背景も書かれており勉強になった。たいした問題ではないが、浅見光彦シリーズに出てくるヒロインが皆優柔不断で人に頼り過ぎなタイプでどうも好きになれない。2019/03/01
しんた
9
戦争もの。トリックもストーリーもいまいち心に残らない作品だった。名前負け。ただ最後の犯人の居直りは考えさせられる。2016/08/07
まさのり
6
下関を舞台にした浅見光彦ミステリー。テーマは耳なし芳一、太平洋戦争。ヒロインは漫画家志望の池宮果奈。諸々の表現に執筆された時代を感じます。2025/06/05