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内容説明
“菜々子さん”が突然、3年前の事故は「事件だった」と語り出した。それは病床の僕にとってもはや検証不能な推理だけど、自然と思考は3年前に飛んでいた。そういえば、あの頃のキミって、意外と陰険だったよね―。“菜々子さん”が語る情報の断片は、なぜか次第に彼女が真犯人だと示し始める。“菜々子さん”が暴こうとしている真相とは一体!?可憐な笑顔の下に、小悪魔的な独善性が煌めく、まったく新しいタイプのヒロイン誕生。
著者等紹介
高木敦史[タカギアツシ]
第13回学園小説大賞にて「なしのすべて」で優秀賞を受賞。『“菜々子さん”の戯曲(シナリオ)―Nの悲劇と縛られた僕』がデビュー作となる。3月3日生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロユキ
34
ミステリとして構成のレベルが高い。文章も読みやすい。そして何より菜々子さんがイイ!!小学生パートと現在の使い分けが上手くなかなかハラハラさせられました。菜々子さんが主人公にかける呪い、何から何まで利用しようとするそのキャラクターが面白いですね。2012/10/18
きっしぃ
30
山本弘のビブリオバトル部で紹介されていた本。サブタイトル、そういう意味かーと序盤からなるほど!主人公の僕に、3年前の事故は、事件だったと語り始めた菜々子さん。彼女の暴き出す真実とは?舞台が小学校だったわりになかなか陰険な登場人物たち。最初から散りばめられた伏線は良かったけど、菜々子さんの本名を呼ばれると~のくだりは、なんだか中途半端でもやもやー。続編も積んじゃったので、とりあえず読んでみよ。2019/08/26
KEI
24
購入。おぉっ!!期待していなかった分、かなり面白かった。第13回学園小説大賞優秀賞、全文をwebで公開していたそうで。確かに読んでみないとこの作品の魅力は伝わらないだろう(どの作品にも言えるけど)。「わたしは、あの事故は、事件だと思うの」 思考しか許されない寝たきり状態のぼくに奈々子さんは語りかけた。そこから物語が始まる。小学生時代の回想と奈々子さんが一方的にぼくに語りかける現在が順繰りに紡がれて1章となる。奈々子さんの話を聞くほど、思考を巡らせるほど、ぼくは奈々子さんへの疑いを深めていく。ネタバレはコメ2010/08/08
しろ
16
☆7 人間関係ってけっこうが呪いかもしれない。これは良い既視感のある作品。良い既視感ってのはつまり「孤島の館が舞台…これはああいうミステリか?キタキタ!」みたいなやつ。主人公は、割と普通だけど大人びていてめんどくさがりで探偵IQは高い、というどっかの小説から連れてきたような中学生だけど、まあ好きなタイプだからよし。そして菜々子さんというヤンデレヒロインもありがちだけど可愛いからよし。最終的には期待通りの出来で、予想の範疇を超えるとかはないけど十分楽しめた。これは次の作品も買おう。2012/03/24
星野流人
16
ライトノベルらしからぬ雰囲気の作品であったが、完成度はピカイチ。圧倒的な文字量にもかかわらず、どんどん読み進めることができた。事件の真相はどんでん返しに次ぐどんでん返しで、まったく先が読めないものであり、ミステリとして非常におもしろい作品だった。 ライトノベル的な雰囲気は薄く、読書初心者には向かない。ひねくれた文章が苦手な人も、ちょっと難しいかも。 新人なのにあとがきがおもしろく、将来性を感じた。 ベストイラストは、321頁の菜々子さん。2010/10/14