感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Asami
4
林真理子さんの処女小説である星影のステラ。都会への憧憬と羨望を滾らせ、そこに馴染めない主人公の少女が、憧れを体現した都会に生きる個性的な少女に惹かれていく。関係の変化は主人公の心のありようによってもたらされるのですが、自分にも身に覚えのある感情でした。上京して10年以上経っても、何だか東京に馴染めない、自分は華やかな東京暮らしの人間とは違う。そんな疎外感や劣等感をジワジワと刺激され、一気読みしました。そして、林先生は人物描写が上手すぎて、時に怖い。2019/08/16
かるた
4
他人や自分の言葉、表情、立ち振る舞いに対して、ここまで細やかにその意図を汲みとってしまう著者は、人と関わるの大変だろうなと思った。そしてこんな風に考える人間がいるなんて、私のなーんも考えてないでかける能天気な言葉であっても、相手を傷つけたり表情に出さず腹立てられたりしてるだろうなと恐ろしくなった。個人的には『だいだい色の空』の方が好き。マサミが登場するまでの書き方は林さんらしくなくて、色んな面を持ってる方なんだなと思った。2018/03/13
かい
4
林真理子さんのこと今までナメててすんませんでした!!という気持ちになった。前に読んだのが退屈な主婦の不倫話だったので、なんとなくそういう感じの話ばかり書くひとだって決めつけていたのだった。面白かったです。表題作の「星影のステラ」は徐々にメッキがはがれていくけど、もう一篇の 「だいだいの海」は最後にサッとカーテンがひらかれるよう。2つの話はとても似ている。2014/08/09
ゆき
4
図書館本:憧れの女友達ステラとの会話のかけらにあちこちうなずきつつ読了。これ林さんの処女小説なんだ。すごいなぁ。田辺聖子さんの解説までついてぜいたくな一冊でした。2013/10/16
峰岸トモ
3
星影の影は、光って意味なんだな。スターライト。だいだいの海、もどちらも、若いってどういう事かが、浮き彫りで、こっちが恥ずかしいな。すごい。2013/02/15