内容説明
腐った役人、裏切り者のお金持ち、嘘つきの宗教者。みんなそろって地獄堕ち。迷える中年ダンテ。詩人ウェルギリウスの案内で地獄を巡り、考えた。死んだらどうなるの?地獄に堕ちるのはどんな人?地獄の底には誰がいる?暴食、吝嗇、浪費、自殺、賭博、偽善、追従、魔術、エトセトラ。キリスト教は悪をどう捉えるか?ダ・ヴィンチもミケランジェロも読んで学んだヨーロッパの大著を、やさしくユーモラスに読み解く。
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年東京生まれ。作家。早稲田大学文学部卒。著書に、短篇集『ナポレオン狂』(直木賞受賞)ほか、『新トロイア物語』(吉川英治文学賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
66
数年前にイタリアのラベンナでダンテの墓に行った時、いつかは神曲が読みたいと思いました。しかし実際に読むには難しそうで抵抗があり、あれからだいぶ時が流れてしまいました。そこて発見したのが、このやさしいダンテです。地獄編を阿刀田さんがわかり易く説明してくれている時は、なるほど~と興味深く読んでいましたが、煉獄編や天国編は難しくて苦戦しました。どこがやさしいの?とぶつぶつ言いながら読みました。やはりキリスト教に詳しく、イタリアの当時の事情に詳しく、さらにギリシャ神話にも詳しくないとやさしくはないみたいです。2011/09/03
抹茶モナカ
47
『神曲』本編は未読ですが、いつか挑戦したく、わかりやすく解説している本書を読んだ。この本の段階で難しく感じて、もっと頭が良かったらなぁ、と切なくなった。『地獄篇』は、上方落語の『地獄八景亡者戯』みたいな印象。もっと知識を増やしながら大人になるべきでした。2015/03/21
gonta19
45
2011/1/28 Amazonより届く。 2013/8/15〜8/26 阿刀田さんによる、ダンテの「神曲」解説本。ある程度は知っていたが、本格的に内容に触れたのは初めて。世界の古典を易しく読み解くのに定評のある阿刀田さんではあるが、これはやはり読むのが、しんどかった。多大なる影響を与えた、と言われているが、ヨーロッパの人の読書率はどれくらいなのであろうか。 解説が、佐藤優さんだったのには驚いたが、佐藤さんのバックボーンから考えるとピッタリ!2013/08/26
KAZOO
35
ダンテの書いた「神曲」への取りかかりをしてくれる入門書といっていいのでhないかと思います。私は「神曲」は読んだことがあるのですが、あまり意味など分からずにさらっと読んでしまってあまり印象もなかった感じがします。ところがこの本を読んで意外と人間的なドロドロしたものもあるのかと思いました。再度読んでみようと思います。2014/10/17
非日常口
24
まず岩波文庫以外の文庫で注釈飛ばして音読するくらいにゆっくりある程度読んで、本書で同じところがどういう話なのかを確認し、また翻訳を読み本書で確認する。これを繰り返すことで神曲は十分読めると思える。岩波以外の翻訳を勧めるのは、岩波の翻訳美文を目指しすぎてて話が見えないから。個人的には河出が読みやすい。2016/02/07