内容説明
下町情緒たっぷりの人形町に、また朝がめぐってきた。床屋の六さんは、飼い猫の狂四郎が客の手を噛み苦情をいわれたことで、目下悩んでいる。でも、この道30年、今では町会の理事をしていて、いってみればこの町の“顔役”だ。その六さんに出番がやってきた。脳卒中でもう2年も寝たきりのおトヨ婆さんの家が立退きを迫られているらしい。長い間の看病で疲れきっている若夫婦のために、六さんが家主にかけ合うことになった。さあ、六さん、どうする…?婦長の長居過子さんも健在だ。下町医院を中心に醸しだされる心温まる人情ないしょ話。傑作書下ろし。
-
- 和書
- インパール 文春文庫