感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
64
今や日本を代表するポップアイコンになった草間彌生は、長年精神病院に入院しながら製作活動を続けている。ビィトンとコラボして、最先端のファッショナブルなプレスリリースに参加した後、精神病院に帰って病棟ベットで就寝する。そんな草間の若い時代の自伝的小説。いや、とても小説とはいえない。文体云々以前の問題で、目的語や助詞は省かれ、口語にすらなっていない。そこにはただ、草間が観ている世界がある。少年のペニスと肛門に異常にこだわり、脅迫観念の中で踊る。草間の水玉は美の追求ではなく、自らを守るための呪術紋様なんだと思う。2023/02/08
丰
0
Y-202004/03/12
-
- 和書
- 吉行エイスケ作品集