内容説明
夫が戦犯として処刑されたと知った日から、妻の戦後は始まった―。BC級戦犯、被告数5700。フィリピンなど50か所の軍事法廷で秘かに裁かれ、901人が処刑された。一家の大黒柱を失った悲しみ、生活の苦しさに加え、「戦争犯罪者」の妻という負い目で、二重三重の意味で重い戦後だった。又、絞首刑判決を受け、処刑の朝に再捜査の指揮書が届き、突然の逆転をみた元戦犯の極限の体験を取材した、〈戦争〉シリーズ、第8巻。
目次
ある戦犯
マニラ軍事法廷
死刑囚
巣鴨プリズン
ジローの涙
涙も涸れて
庭の碑
ユキミチャン…
軍医の罪状
チャンギー刑務所
最後の晩餐
生贄
心を残して…