感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
31
本書の白眉はやはり、闇米を拒否して殉職した「山口判事」であろう。彼の頑なな態度を法律馬鹿とか、人間性が欠落していると批判する向きは今でもあろうが、私はそうは思わない。なぜなら、彼は法に殉じたのではなく、経済犯罪を犯したものを罰する立場にある判事が、闇米という犯罪を犯したうえで、犯罪者に刑罰を与えることは不当であるという、自己の哲学に殉じたと言えるからだ。だから彼は、日本でよく知られるソクラテスが言ったとされる「悪法もまた法なり」という単純な思考に則ったのではない。そもそも、このソクラテスの言葉は、2022/08/11
らい
6
本書の直接の感想でないが、戦後77年で当時の体験を語っている記事を読んでいる時、ふと、この人たちが亡くなったら、もう実際に知っている人がいなくなるとふと思った。小さな頃から「戦争は絶対に駄目」と徹底的に聞かされてきたけど、その意識は周辺の赤い国のせいで揺らいでると思う。今後、そういう集合的な意識を自分たちが継いでいかないといけないのだと思うと、もっと知らないといけないと思い、まず手にとってみた。箇条書きの年表からは決して浮かんでこない戦争に関わった民衆一人ひとりの様々な状況が語られている。2022/11/13
mimm
1
いろんな項目凝縮の一冊。特に闇米を拒否して亡くなった判事さんの章がきつかった…。矛盾を押しつける国のやり方、いつでもオエライさんは逃げられる構図、このもやっと感。そんな中、すごい方がいたんだなぁと。(奥様も含め)ただただ凄いと。発行された日にちより、より一層の時代の流れを感じつつも、風化させちゃ駄目な貴重な一冊でした。2013/12/09
丰
0
Y-202004/07/10
ゴリゾウ
0
食糧事情逼迫の例・・鋸屑-腐朽菌(ウスバタケ)により分解せしめたのち粉末とし、小麦粉、米粉などに20パーセント混入し、蒲焼またはパンとする。藁、籾殻-細断ののち・・『飢え』(P121) #15411989/04/13