内容説明
夜の闇にひそむ孤独。出逢い。ゆらめき。灯はすべてを暖かく見守る。灯のぬくもりに抱かれ、嘘を脱き去った男と女が演じる一幕。都会の夜の13のストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
13
森瑤子さんは一世を風靡した作家という印象があるのですが、今では絶版も多く、古本屋でもあまり見かけなくなりました。小説の世界も厳しいものだと思います。男女の恋愛を都会的な感性で切り取った短編集。80年代から90年代前半の日本の雰囲気がよく伝わってきます。電話ボックスが出てくる作品もあり、時代を感じました。「窓の灯」が一番好きです。男のずるい言い訳を、否定できない女性の心の揺れが繊細に描かれています。2024/03/24
koko
7
『受賞のニュースを知らないうちは、君はまだ僕のもの…』 コピーライターの主人公(彼女)と編集者の彼氏。無名だった彼女がコピーライターの賞で受賞。彼氏はその報告するために彼女とバーに待ち合わせ。約束の時間に遅れてやってきた彼氏に文句言った後の彼氏の返しのセリフ。2019/03/06
青豆
3
都会の灯りの中で、きらきらと輝く星のかけらの様な恋を描いた短編集。森瑤子さんらしいお洒落で洗練された作品。しかしバブル時代は自信に満ちた男女が溢れてたのだなぁと思う。2014/02/18