内容説明
参議院議員・太田垣に入閣のチャンスが巡ってきた。そのためには、5人の愛人と縁を切り、身辺をきれいにしておかなければならない。早速、太田垣の個人秘書・早川が愛人たちと交渉に入るが、5人とも身を引こうとしない。すると愛人の1人が謎の死を遂げ、さらに残りの女性たちも連鎖的に殺されていく。殺人の容疑者に仕立てられ、窮地に立たされた早川。事件の裏にはいったい何が!?十津川警部が連続殺人事件の謎に挑む。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
1930年東京生まれ。65年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞受賞。81年『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞受賞。2004年には第8回日本ミステリー文学大賞を受賞。トラベル・ミステリーで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オーウェン
51
議員の太田垣は入閣することになり、5人の愛人の身辺整理を秘書の早川に任命する。 ところが早川が女性を訪ねる度、死体となっていくことに。 この事件を十津川警部が解き明かすが、警部は中盤あたりから。 早川は政治の世界の猥雑な部分に潜り込んでいき、次第に脅迫され逮捕までされる始末。 かなりの人数が死ぬので、犯人は自ずと分かる。 事件は重めの感じだが、ラストはあっさり終わらせ、十津川警部を唖然とさせるのが珍しい。2023/09/18
浅木原
3
議員の女関係の整理を命じられた秘書が女たちを回っていくと、その女が次々と死んでいき……という話だけども、うーんこのオッサン向けサスペンス。あまりにオッサン臭いエロ要素、間延びした展開、無理矢理出てくる十津川警部、いやいやいやとしか言い様のない真相と犯人とオチ。そんなろくすっぽ伏線も思い当たらないような唐突な犯人と動機で納得しろと言われましても……。主人公の早川の最後の扱いもそれでいいわけねーだろお前。『寝台特急殺人事件』の直後ぐらいに書かれた作品だけど、仕事が急増して適当になりました感溢れる一作。2015/11/07
kaizen@名古屋de朝活読書会
2
ある大臣志願の社長の秘書の物語。 5人との関係の清算を命じられるが, なぜかつぎつぎ相手が殺されて行く。 最期にはその殺人の罪を着せられて。 とってつけたように十津川警部が現れる。 真犯人の存在の可能性から真実に迫る。 最期は弁護士の自殺で終わるが、 本当の事件は未完なのかもしれない。2012/04/16
mercury
1
なかなか十津川さんが出てこないんだけど、早川という野心家の男が意外に魅力的。2010/09/17
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
0
平成22年 5月25日 初版 2015/06/11