感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
64
恐怖推理小説集。オーソドックスなミステリも含まれるが、奇想というか恐怖小説の内包する邪悪度が凄まじい。特に表題作と「呪いの幽体」そして「皮を剝ぐ」のインパクトと言ったら…。前二者は昭和らしい禁断の実験モノなのだが、特に表題作は邪悪なアルジャーノンといった趣で、実験の内容から結末に至るまで一種異様な緊張感を持っている。そして何より「皮を剥ぐ」。もうホント冒頭から結末までこんな嫌な気分になる話も珍しい。冒頭の蛙の箇所は兎も角、中途の犬との話が嫌すぎて、見せ場であるラストが霞むくらい。ラストも衝撃的なのだが。2024/01/24
一乗寺隼人
9
アンソロジー『もっと厭な物語』で初めて読んだ『皮を剝ぐ』を含んだ短編集。もう全編厭な話ばかりなんだが、読後小気味いいのは『闇の怨霊祓い』と『闇の中の柩』ですね。なんといってもオチが素晴らしい。このオチを素晴らしいと感じるのは私自身が厭な奴なのかな?エロシーンもザ・昭和な感じでエロトピア。久しぶりに読んだ『皮を剝ぐ』は気持ち悪かった。活字でここまで気持ち悪くさせられるのは才能です。2017/08/22
hirayama46
3
はじめての草野唯雄。怪奇小説やマッドサイエンティストものなどがありますが、どの短編も基本路線としてはミステリ。いかにも昭和のエンターテインっぽいお色気もありましたが、きっちりとした構造の物語が多く、いま読んでも楽しむことができました。草野唯雄は長編も読んでみたいです。2017/03/05
ケロたん
1
今読んでも古臭くなくバラエティーに富んでいて楽しめました。2014/07/02
ジャッカル佐崎
1
エロスにバイオレンスに溢れた猟奇ミステリ短編という、主食代わりにモリモリ摂取したい素敵な作品が並んでいます。後味の悪い話も多く、少々無理やりなトリックも力技で納得させてしまう、いろんな意味で暴力的な短編集です。2014/05/28