内容説明
パロス第4王朝末期。時の君主アルディウスに一人の美しい王女があった。名はエルミニア。玲瓏にして燃える瞳。白馬を駆り剣に闌け、凛然と痩躯に男装を纒う佇いは、神話に顕れる美少年の姿だった。十八歳を迎え、結婚を父アルディウスより厳命されるが、時まさに隣国カウロスとの国交に揺れ、宮廷は叛徒の策謀に喘いでいる。運命の扉は、洗濯女フィオナとの出逢いに開く。恋か。自由への希求か。エルミニアは渦巻く野望の中、秘宝の剣を手に王国の存亡をかけ、栄光という名の、悲劇という名の闘いの途に独りひた疾る。現代の語部が紡ぎだす運命の物語。感動に彩られ書下しで堂々の登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とんこ
23
男装の麗人(ていうか心が男の)エルミニア王女と可憐な洗濯娘フィオナの運命的な恋、そしてエルミニアを守る幼馴染の騎士ユリアス。この登場人物で想像できる通りの百合ロマンス。スピーディーな展開でサクサク読めるんですが、エルミニアを慕う人々に報いてあげて欲しかったなとか、ファオンもうちょっと見せ場欲しかったな、とか、個人的には物足りない点がいろいろありました。でもやっぱり男装の麗人ものは大好きなので面白かったです。何十年かぶりの再読ですが、やはり「ユリアス報われなさすぎん?」が読後いちばんの印象。2024/11/09
Tanaka9999
15
1989(平成元)年発行、角川書店の角川文庫。私が想像する少女漫画ような作品。実際、漫画作品も存在するのだが。昔読んだ時は主人公にいらいらさせられつつも感情移入していた記憶があるのだが、今読むと腹立たしい主人公になってしまっていた。自分は、年を取って分別くさくなったのだろうか。 (追記)グイン時系列作品で唯一(?)魔道がからまない作品。そんなところも、なんとなく物足りなさを感じる原因かも、2024/05/02
agtk
6
電子書籍にて。再読のはずだが、ほとんど覚えていなかった。グインサーガに繋がるお話。最後があっさりすぎて、なんと言うか……。結局、パロスの剣とはなんなのか。2023/07/25
kaizen@名古屋de朝活読書会
5
中島梓もしくは栗本薫は、こんな乙女チックな本も書いていたことを知りました。 男装の麗人、コミックにもなっているとの事。 一国が滅ぶかどうか,よりも選びたいものがあるというのは,その立場にいないと分からないのかもしれません。 よく男性のロマンという言葉を聞きますが、女性のロマンを見たような気がしました。 栗本薫の一つの分野を切り開いているなと思われました。 「官邸サーガに伝わるある王女の物語」2011/06/13
洪七公
2
読了1991/07/12
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