出版社内容情報
片山刑事と妹晴美、石津、そしてホームズが、初の海外旅行へ。行先はロマンチック街道。日本有数の資産家の殺人事件解明のために。古城に招いた一族全員に動機が……。
赤川 次郎[アカガワ ジロウ]
著・文・その他
内容説明
女性に弱く、血を見るのが大嫌いな片山刑事と妹晴美、晴美に恋する猫嫌いの石津、そしてホームズが、初の海外旅行へ。行先はロマンチック街道。優雅な旅といいたいところだが、目的の殺人事件解決のためだった。日本有数の資産家、永江一族の次男、英哉は、三年前に若妻、智美を新婚旅行中に殺害された。ドイツの古城で、中世の伝説どおりに、処刑具「鉄の処女」で惨殺されたのだ。だが、真相解明のため、古城に招いた一族全員に殺害の動機が…。三毛猫シリーズいよいよ快調!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
29
〈三毛猫ホームズ〉シリーズ第8弾である。俺は旧版で20回以上読んでいて、今回新たに新版で読んでみた。……うーん、高校生の頃は本当に超凄かったといえるのだが、今ではせいぜいよかったとしか言えないなあ。とりあえずこれで7作読んでいたが、〈推理〉と〈狂死曲〉が大満足、〈追跡〉〈怪談〉〈運動会〉〈騎士道〉が満足、そして〈駆け落ち〉だけがダメだった感じかな、うん。とりあえず以上です、ハイ!!2023/11/17
ハル
22
このシリーズの中で1番印象に残り何度か読み返した本。ここから続く海外編が本当に好き。城のイラスト付き解説に心躍らせたものです。ポテトとウィンナーしかないお店や、歩くのに犬のフンを避けなくてはならないなど全く知らなかったドイツ事情が当時は新鮮だった。城の中という特殊な環境で色んな抜け道や仕掛けを発見するところも見どころ。きっとまた何年かしたら読み返すと思います。2019/08/08
米倉 涼子
18
★★☆☆☆何作かこのシリーズを刊行順に読んでいるが、まだ昭和に出されていたのにはビックリ。さて、今作は、冒頭に鉄の処女が出てきてイイ感じに滑り出し、城のトリックを駆使した連続殺人でも起こるのかと思いきや、なかなか発展せず、途中でダレてしまった。ホームズは「ギャー!」ってよく鳴くし。猫ってギャーって鳴くかなぁ。とか雑念が屢々過る。なんか今回、ホームズはあまり活躍しなかったね。自分の勝手な思い込みなんだけど、ホームズは黒猫のほうが似合ってる気がした。ていうか、電話、有ったのかい!さっさと助けを呼べって(笑)2023/12/04
YUUUUMI
16
ドイツ旅行に同行することになった、刑事である主人公・片山と、妹・晴美、そしてちゃっかり同行する石津と、様々なヒントを与えてくれる三毛猫ホームズたちが新たな事件を解決していくシリーズ。今作の舞台は中世の古城。そこに閉じ込められる事になってしまうクローズド・サークルミステリーでもあった。主要登場人物たちが冒頭に登場し、そこから殺人事件が起こる様子は『そして誰もいなくなった』を模倣しているようでもあるが、緩いキャラクターたちに好感が持てるし、三毛猫ホームズが今作でも冴えていた。2024/05/02
のりのりのり
12
最期の最期までみんなそれぞれが怪しく犯人がわからなかった。軽い文体、ユーモラスな主人公達。そして赤川次郎さんは気楽に安心して読めるって油断してるとショッキングな物語の導入でビックリさせられたり起こってる事柄だけ考えればすんごくシビアで重い出来事。今回はやはり舞台の古城と事件の発端となる『あれ』の存在が物語を盛り上げてくれた、良かった!2016/12/30