内容説明
道ばたで偶然年上の美しいエマと知り合った十八歳の私。贅沢で気難しく奔放で孤高、その上匂い立つばかりのエロティシズム―エマの魔力にとりつかれた私がそのボーイフレンドを次次寝取ったことは、むしろ自然な成り行きであった。無名の詩人・晋平が出現するまでは。人が人を好きになる罪悪と悦び。愛し合えば合うほど陥る孤独という裂け目。誰も描き得なかった愛と哀しみに踏みこみ、小池ロマンの分岐点となった恋愛小説の金字塔。
著者等紹介
小池真理子[コイケマリコ]
1952年、東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年、「妻の女友達」で日本推理作家協会賞の短編部門を受賞。96年、『恋』で直木賞を、98年、『欲望』で島清恋愛文学賞を受賞する
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