内容説明
東京を経て、ふたたびギリシャ、アテネ―。夕日輝くエーゲ海に、愛しい人を死なせた満典の祈りは続く。果たして〈再会〉はあるのか?精神の気高き闘いの末に、心の闇にひろがる光の彩りを描く宮本輝文学の最高峰。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
459
読み友氏に既読を指摘されながら、最後まで読んだことすら思い出せなかった(笑)断ち切れぬ過去の思いを引きずりながら、生きていく登場人物たち。そんな中では他人を傷つけてしまうこともある。12万ドルの小切手のエピソードは必要だったのか?という疑問が最後までまとわりついた。あとがきの鷺沢萠さんのお名前が懐かしかった。2022/06/12
KAZOO
98
下巻では、元妻からの手紙で日本に戻り実家に身を寄せます。その後、日本での生活が続きますが、ギリシャからの手紙によってふたたびギリシャに戻ることになります。ギリシャの女性には二人の子供が生まれています。本当に宮本さんの作品にしてはミステリー色が強いものの、やはり人間関係が基本となっています。2024/10/06
佐島楓
43
哀しみでしか結びつけない男女がいるということに、暗澹たる気持ちになった。こちらの体調もあるのだが、あまり感情移入できなくて残念。2015/09/13
背番号10@せばてん。
31
1993年8月14日読了。おじさんだって、たまにはこういう本を。(2022年6月12日入力)1993/08/14
エドワード
13
「再会の時、必ずや来たらん。」満典は、釣り仲間の寿司屋の主人から一冊の本を贈られる。主人の恩師の著書に書かれた言葉は、満典に亡き息子を想わせた。元妻琴美との再会。エフィーの嫉妬。ギリシャでの不穏な出来事。様々な人生が交錯し、彼はエフィーを迎えにギリシャへ向かう。エフィーは身ごもっていた。彼女は女の子を産む。これは再会なのだろうか。作者は答えない。幸福に満ちた光が海にふり注ぐ場面で物語は終わる。表紙の有元利夫の絵が物語にリンクしている。上巻の表紙は「私にとってのピエロ・デッラ・フランチェスカ」。代表作だ。2013/06/06