感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
19
どこかで見た光景だ。 若者は鉄砲玉にされ、いとも簡単に死んでいく。 長老達は、その屍を踏みつけにして益々肥え太る。 世の中の構図っていうのは、こんなにも変わらないものか。 怒りと暴力衝動を掻き立てるかのようなあのテ ーマは、いつか僕の中でも鳴っていた響きかも知れない。 2016/05/24
yi120
5
昔この映画が好きで全5作複数回見たがフィクション感覚、しかしかなり史実に近かったのを今更ながら驚いた。セリフがそのまんまな箇所も随所に。不思議なのは山村を本気で狙う者が居なかった事と美能の異常な我慢強さ。2023/03/15
ぼっせぃー
4
仁義なき戦いシリーズは大好きなのだが、フィクションとしてめちゃくちゃ膨らませてあるのだろうと想像してノンフィクションである原作を読んでみたら、映画をほぼ地で行っているどころか原作の方がドギツい展開が出てくるのでたまげた。特に、山守義雄(山村辰雄)、広能昌三(美能幸三)、打本昇(打越信夫)は映画そのままの雰囲気(本来逆だが)で、映像化した時のクオリティの高さ、特に人物像の息遣いのリアリティに改めて感心した。2022/01/31
にゃおまる
4
ほぼ映画と同じ。よくも映像に出来たものだ。しかし、美能さんは色々とよく耐えたものだ。山村は何回殺されててもおかしくない。仁義もなんもない。むしろ酷い。現代ヤクザの始まりを見るとやはり戦争に負けたのが痛かったなと。2016/09/22
inokori
3
再読.深作欣二監督の映画五部作では,美能幸三をモデルにした菅原文太をはじめとしたそれぞれの組の若い衆たちがスポットライトを浴びている.本書でももちろん彼らの抗争にも紙幅が割かれているが,彼らの上に君臨する組長の老獪かつ狡猾な組経営──構成員を同輩集団の中で常に疑心暗鬼の状態に置き,あまつさえ内訌を意図的に生じさせ自身の地位を脅かす有力者を自滅させることで,自らの権力を維持・拡大していく──という,「仁義」という語の関連で言えば全くもって「君子」ではない生きざまが生々しく描かれている.2009/06/11