内容説明
闇夜をますます深くする十の悪夢。古今の名作の中から選びぬかれた、逸品揃いの恐怖小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
207
現代ホラー傑作選第4集は、"ミステリーの女王"こと夏樹静子氏がチョイスした10作品が収録されている。さすがにミステリーの女王だけあって、選ばれた作家たちもミステリーの重鎮が多い。赤川次郎氏、松本清張氏、皆川博子氏、森村誠一氏等々・・・ 壮そうたるメンバーでまとめられ、また江戸川乱歩氏も収まっていて、古今の名作で編まれた一冊といえよう。2021/05/02
KAZOO
101
夏樹静子さんが選んだ、錯誤や思い込みに絡むものが多い作品集でした。しかも江戸川乱歩、木々高太郎、水谷準、松本清張などなつかしい顔ぶれも見られます。どれもかなり怖く感じるものが多い中で異色の夢枕獏さんの短編が印象に残りました。かなり昔の作品集ですが、浅野勝美さんのイラストや各作品の前に口絵が掲載されているのも贅沢に感じました。2023/10/25
コーデ21
23
<古今の名作から選びぬいた逸品揃いの十の恐怖> 確かにそうそうたる作家陣ですが、いささか古色蒼然の趣きもあり💦 ただ、50p弱という少ないページの中で独自の世界観を構築されているのは、さすが‼ 電車内で楽しく読ませていただきました♪ ミステリー色の濃い「家紋」「陰膳」が印象的でした。2023/08/11
KANEO
17
夏樹静子選による10篇の恐怖小説集。幽霊、怪奇というよりも人間の奥底にある怖さを描いたミステリー作品が半数以上を占めている。古めのミステリー作品が多いがどの作品も魅力的でいつの間にか引き込まれてしまっていた。 『家紋』『陰膳』はミステリーとして“怖い”作品で良かったし、『お・それ・みお』は幻想的且つ面妖な作風だが切なくどこかロマンチックで夢でも見ているようで印象的だった。 正直ボクの期待していた恐怖小説とは違った短編集だったが、なかなかどうして、楽しませていただいた。たまにミステリーもいいもんだなあ。2015/06/14
雑感
9
アンソロジー。乱歩の「恐ろしき錯誤」は言わずもがなとして、赤川次郎「私だけの境界線」、木々高太郎「文学少女」、水谷隼「お・それ・みお」、森村誠一「無限暗界」など好みの作品が多かった。「文学少女」のこれでもかこれでもかと襲いくる陰鬱さはクセになる。凄まじい抑圧の中にありながらそれでも尽きない文学への熱情と、彼女の人生に時折差し込む光の皮肉さがたまらない。「お・それ・みお」の突き抜けた狂気も大好きだし、「無限暗界」の皮肉的で絶望的なラストもいい。アンソロに良作が多いと得した気分になるので嬉しいな。2020/05/18
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