出版社内容情報
大正から昭和にかけて数々の才能を生み出し、日本における探偵小説・ホラー小説の黎明期を支えた雑誌「新青年」から怪奇小説を集めたベストセレクション。江戸川乱歩「芋虫」、夢野久作「鉄槌」等13篇の傑作を収録
内容説明
大正から昭和にかけて、もっともハイセンスで知的な雑誌であったばかりか、数数の才能を生み出し、日本における探偵小説・ホラー小説の黎明期を支えた「新青年」より、選りすぐりの怪奇小説を集めたベストセレクション。江戸川乱歩「芋虫」、小栗虫太郎「紅毛傾城」、夢野久作「鉄槌」など、13編を傑作を収録。極上モダン・ホラーの恐怖が、時代を超えて、今、甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
192
本作は雑誌『新青年』に掲載された傑作集。『新青年』は、1920年に創刊され、1950年まで続いた日本の雑誌で国内外の探偵小説を紹介し、新進気鋭の新人作家を発掘する目的で作られた。「都会的雑誌」として都市部のインテリ青年層の間で人気を博し、江戸川乱歩、横溝正史(編集長も務めている)を初め、角田喜久雄、山下利三郎らが執筆、新人として甲賀三郎、大下宇陀児、城昌幸、渡辺温、牧逸馬、国枝史郎、夢野久作などがデビューするなど、当時の日本推理小説の歴史的大きな役割を果たした。本作は傑作選として13作品を取り上げている。2021/06/12
中玉ケビン砂糖
109
、「ひとりで夜読むな」とあったからさっそくひとりで夜読んでみた、純然たるホラー(Jホラーのような)を期待している人は多分肩すかしをくらうと思います、なにせ『新青年』からの初出で、乱歩の「芋虫」で締めていることからわかるように、基本は探偵怪奇小説か「エロ・グロ」です、怖さの好みで言えば、「柘榴病」(なんとなく『マタンゴ』みたいなものを想起させる)とか「本牧のヴィナス」(この中ではいちばん「らしい」心霊小説?)あたりだろうか……、「可哀想な姉」などはいかにも当時流行ってた感のあるデカダンが効いている、、、2015/04/21
ウララ
6
一人で夜読んでも、そんなに怖くないが、昭和初期の独特の雰囲気が伝わってくる不思議なアンソロジー。やはり小栗虫太郎、夢野久作、江戸川乱歩がすごい。その他では口のきけない姉と弟との関係が微妙な「可哀想な姉」と目をくり出されてしまう場面はこれからも何度も思い出してしまいそうな「痴人の復讐」が怖かった。2014/03/12
のんの
4
タイトルの「ひとりで夜読むな」って書かれると、ひとりで夜に読みたくなるのは、お約束だよね。文章に関しては、古い文体なので、少し読みにくかった。思ったよりも怖くはなかった。個人的に好きなのは「柘榴病」「聖悪魔」かな。2020/02/26
海さん
4
「ひとりで夜読むな」と言うほど怖い話はなかった。「痴人の復讐」「告げ口心臓」なんかは、へーなるほど、という感じ。「芋虫」は何度も読んでいるけど、怖いというより切ないというか。2019/06/06